INFINITY | ナノ





ライブ当日。毎度のようにみんなでリハーサルをして、遊んで、ご飯を食べて、喋って、歯も磨いて、喋って、ストレッチして、メイクして、遊んで。着替えを済ませて後は出番を待つのみ。衣装部屋から帰って来て、定位置のソファーに座りながら自分が載っている雑誌のチェックをしていた。

テーブルを挟んで向かい側のソファーにはすばるが居て、スマホをピコピコといじっている。でも、何やらさっきから、雑誌に目がいっていても気づくくらいにチラチラと目線を感じるではないか。チラッ、チラッ、ジーという音がピッタリやった。何かあるんかな?くらいにしか気を止めずに自分のインタビューを読んでいると、どうやらすばるの隣に忠義が座ったみたいで。チラッ、ジー、チラッ、チラッ、と相変わらずだが目線が増えたことは確かだ。1冊読み終わり、次の雑誌に移ろうと持っていた物を閉じて前を向くと、視線はどちらもスマホへと降りていった。まぁいいだろう。私の勘違いかもしれんし。








......またや。
2冊目を読み終えた所で、パタンと雑誌を閉じた。目の前に座る2人を見れば、やっぱり私に注がれていたであろう視線はスマホへと移った。



『何なん、さっきから』
「えっ、なに?」
『君らさっきから私のことチラチラ見てるやろ』
「えっ、見てた?」
「見てへんよ。えっ、怖い怖い」
『チラチラ見てるあんたらのが怖いわ』


渋谷さんのお得意であるしらを切るという荒技で切り抜けようとしてるけど、お見通しやぞ。という目で睨んでやった。


「えっ、えっ、何?」
「名前、パンツ見えてるで」
あっ、
「見てたでー」


コーヒーを啜っている信ちゃんの言葉をきいて、眉間に皺を思いっきり寄せながらすばると忠義をみると、すばるは何をいうてるんだよ!と標準語になりながら目を見開き、忠義はすばるの言うことに首が取れそうになるくらいに、こくんこくんと頷いた。


「バレバレやぞお前ら」
「そんなミニスカートはいて脚組むのが悪いやろ」
「そうや!見るやん誰だって」
『教えてくれたらええやん、脚組んだら見えるでって。下着姿とか見てるやん。今更、』
「見えるか見えへんかって所がええんやろ」
「ドン!と見せられるのとは訳がちゃうねんなっ、」
「なっ!」


この人達のこういう時の結束力は凄い。下着姿や仕事上コスプレみたいな格好、水着姿だって見られてるけど、盗み見られるのは気分のいいものではなくて、眉間に寄った皺はまだくっきりと残ったままだった。


「俺らばっかり怒るけど、村上くんも見ててんで。見てたから見えてる事知ってて注意できたんや」
「あっ、お前、そうや!」
「ほんまは信ちゃんも見たいねんで、信ちゃんも男やもん」
「はぁ?お前らそろそろどつくぞホンマに」
『うるさい、君たち1人1万円ね』
はい、ごめんなさい


男の性分
(なんで俺らだけなん)
(マル、見たやろ?)
(見てません!)
(何色やった?)
(ピンクです!...あっ、)


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