INFINITY | ナノ


『電器屋さんいってもいい?洗濯機調子悪いねん』
「ああ、ええよ」
『信ちゃんとこの洗濯機も調子悪いって言ってたから今度一緒に買いに行こうって言ってたのに、遂に壊れてもう買ってんて。酷ない?』
「ああ、なんかそないなこと言うてたなアイツ」


侯くんとプラプラとお買い物中。侯くんの服を買って、お昼ごはんを食べて、次はどこに行こうかと考えていたところだ。電器屋さんの前について、いざ入ろうと思ったところで、横にいた侯くんの足が止まった。


「あ...」
『んー?』
「携帯ない」
『は?』
「携帯ないねん」
『またー?』



この人がよく忘れ物をするのはよくある話だ。でも、昨日も番宣に2人で出た際にメガネがないと楽屋をマネジャーと一緒に大捜索したばかりだ。



『さっきの服屋さんちゃう?』
「さっきは出してへん」
『じゃあその後のご飯屋さんちゃうん』
「すまん、ちょっと行ってくるわ」
『ちょっと待った。電話して聞いた方が早いやろ。待っといて』



幸い、さっきご飯を食べたお店は甲斐くんの知り合いのお店だった。私もよく行くから店主は顔見知りだ。携帯に登録してあるお店の番号を電話帳から探した。



『もしもし?あ、名前やけど。うん、あ!そうそう。それ横山くんのやねん。うん、ごめんね。今から取りに行くわ。うん。ごめんね。はーい......あるってよ』
「悪い。ちょっと行ってくるわ...あ、ない」
『携帯みつかったやろ』
「財布」
『はあ?何してんの?』
「すまん」
『服屋さんちゃうの。ご飯屋さんは私が出してんから』
「そうかも知らん」
『また首にぶら下げといたら?』
「ほんまやな」
『ほんまやな、ちゃうで。もう30過ぎのおっさんが首から財布と携帯ぶら下げてたら、ファンは何しても可愛いかも知らんけど、恥ずかしいで。忘れへん努力をしなさい』
「はい」
『しっかりしいや』
「はい...」



.
.
.



「名前、お前やめたれよ」
『は?何?』
「これ」
「銀座の街で大説教!関ジャニ∞名字に頭が上がらない横山...なんやこれ」
『何これ』
「お前銀座のど真ん中で横に説教してんて?」
『説教なんかしてへんよ』
「書いてるで、横山が名字に何度も頭を下げてたって」
『この間、また忘れてん。財布と携帯。しかも違う店に。財布もないから戻ってんで、私も一緒に。この前の日もメガネなくしたって大捜索してん。説教もしたなるやろ』
「他の人の目もあるやろ」
『そんなこと言うてる場合ちゃうねんあの人。財布と携帯やで。死活問題や』
「そらしたらなあかんな」
『侯くんが悪いねんで。しっかりせんともうおじさんやねんから』
「横、何してんねん」
「イヤホンないねん」

はあ...


忘れ物大魔王
(侯くん、ちゃんと...)
(名前、やめとけ)
(ほっとけ)
(そうやな)


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