INFINITY | ナノ


『あー』


『あー』


『あー』


『あーあかん!』
「なんやねんさっきから」
『あかんねんもん』
「何が」
『鼻詰まるー』
「ああ、花粉か」
『鼻水とまらへん』
「ほれ、ティッシュ」
『鼻かゆいー』
「ティッシュでも突っ込んどいたらええんちゃう」
『目かゆいー』
「目薬どこやってん」
『ハクシュン!うえーい』
「おっさんみたいなクシャミすんなや」
『出ちゃうもんは仕方ないやん』
「名前ちゃん大丈夫?」
『大丈夫ちゃうよー。あれ、すばるは?』
「今日はすばる居らんで」
『なんで?ハクショん!』
「横とヤスとすばると亮は別日やで」
『えー、私の花粉症仲間...ああ、だから亮まだ家に居ったんや…ハクション!』
「ほら、花粉症の薬」
『ああ、ありがとう』
「そんなに酷いなら持っとけよ薬」
『薬すぐ忘れるちゃう。でもいつも飲んでるよ』
「飲んだらええがな」
『今日甲斐くん居らんねんもん。甲斐くんがもってる』
「甲斐は」
『今日はねー、なっちゃんのピアノの発表会やねんて』
「なっちゃん?」
「別れた奥さんとの子供」
「あーなるほど」
『甲斐くんもたまには休みあげないと死ぬから』
「意外と子煩悩やねんな、顔に似合わず」
『もう1年休みないねん、甲斐くん』
「1年!?」
「そらお前がしっかりしたらええんやないか。甲斐が居らんでも仕事行ったらええねん」
『えー』
「えーちゃうわアホ、しっかりせえ」
『甲斐くんの彼女にこの間会ってんけど、私睨まれた』
「えっ、なんで?」
『一緒に居る時間ないねんて』
「まぁ、そら仕事やからな」
「そこは手厳しいねんな」
「身体を休める為の休みと、彼女に会いたい休みはまた意味がちゃうやろ」
『ハックシュン』
「名前ちゃん大丈夫?」
『大丈夫ちゃう。あー、甲斐くーん』
「いつまでも甲斐に頼ってたらあかんで」
「名前さん、鼻炎薬です」
『ハクシュン!ああ、鼻炎薬や!神!』
「買ってきてくれたん?」
「いや、僕じゃなくて甲斐さんからです。名前さん持ってないだろうから持ってってくれって」
『甲斐くん神!やっぱり甲斐くん居らんと仕事できひんー!』



神様降臨
(仕事できるな、やっぱり甲斐くんは)
(コイツが甘ったれやからやらなあかんねやろ)
(そんなことばっかり言ってー。ハクション!)
(おまっ、かかったやんけ!はよ飲め!)



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