INFINITY | ナノ



『うぇッ...あぁ、気持ち悪い』

「吐く?イケる?」

『んん、大丈夫。ちょっと寝てもええ?めっちゃ眠いねん』

「ええよ、起こしたるから」

『りょん、』

「ん?」

『お茶飲みたい』

「ええよ、買ってくるな」





「名前ー、見て見て...あれ?寝てんの?」

「あぁ、また寝てる」

「さっきも寝てたやろ、起こしたんやで」

「何か、眠気がひどいらしいで。疲れてんのとちゃう?」

「ゲロゲロしとったし、体調悪いんやろ。寝かしといてやれよ」

「もしかして...」

「なんやねんヤス」

「あぁ、いやっ」

「なんやねん、言いかけてんから言えや」

「妊娠...とか」

「ブーーーーッ」

「うわっ、横山くん汚ったな!」

「妊娠!?」

「シッ!信ちゃん声大きい」

「すまんすまん。あかんやろ、妊娠って」

「でも、名前の生理周期過ぎてるから生理はもう終わってるやろし、お姉ちゃんが妊娠してるとき吐き気と眠気強かったって」

「何でお前が名前の生理周期知ってんねん」

「亮ちゃんもやけに優しかったな、さっき」

「亮ちゃんが名前ちゃんに優しいのはいつものことじゃない?」

「でもさ、亮ちゃん今日は名前の側から離れへんし」

「考えすぎちゃうの?名前ちゃんに限ってそんなことないと思うけど」

「でもさ、それなら辻褄が合うやん。吐き気も眠気も優しいのも」

「「「「「「..................」」」」」」

「あかん、横山くん口パクパクしてもうてる」

「よこちょー、生きてる?」

「あっ、あっ、あかん」

「こいつ泡吹いて倒れるんちゃうか」

「亮ちゃんと名前の子なら可愛いやろな」

「そらそうやろけど、どないすんねん。妊娠って、結婚もしとらんのに」

「ライブもあるしな...」

「まずはおめでとうちゃうの?」

「あほか、大騒ぎやぞ。名前やって妊娠しとったらライブで踊られへんやん」

「踊らんようにしたらええやん。トロッコで周ったり、アコースティックにしたり、バラードにしたりやり方は色々あるやん」

「お前、今から出来るわけないやろ!」

「信ちゃん冷たいな。お腹の子が可哀想や」

「そういうことちゃうやろ!まず社長が許すかいな、でき婚なんて」

「できてしまったもんは仕方ないやん。子供に罪はないねんで。そんな心配よりも名前の心配が先やんか」

「信ちゃんも大倉も喧嘩はやめよ、な?」

「でもさ、ほんまにどうすんねやろ。名前ちゃん辞めなあかんくなるんかな」

「アホか!そんなん許さへんぞ!」

「そうや、変なこと言うなや」

「ごめん」

「せやったらでき婚なんて尚更あかんやろ!」

「俺らだけでやあやあ言うてても仕方ないやろ。本人に聞いた方が早いわ」

「まぁ、そうやな」




「名前ちゃん、体調大丈夫なん?」

『うん、なんとか大丈夫やで』

「名前、お茶」

『ありがとう』

「これ、かけときや。寒いやろ」

『うん、ありがとう』

「名前、おめでとう」

『何が?』

「妊娠しとるんか」

『誰が?』

「お前や」



『.........




は?』

「えっ、そうなん!?」

『えっ、なんでそんな話になってんの?』

「えっ、妊娠してないの?」

『してないけど』

「えっ、じゃあ体調悪いのは,..?」

『生理と二日酔い』

「ヤスー!」

「生理もう終わってる時期ちゃうの?」

『生活不規則やったからかな、今月遅れてん』

「ヤスー!」

「ごめん」

「お前二日酔いなんて珍しいな」

『二日酔いってしたことなかったんやけど、人生初。昨日調子のってテキーラ飲みすぎた』

「りょん〜とか言うてるから」

『あぁ...』

「甘える時だけ呼ぶねん、」

『余計なこと言わんでええの』

「亮ちゃんニヤけすぎやて」

「なんやねんもぉ」

「びっくりしたー」

『えっ、何?』

「吐き気も眠気も妊娠の症状やし、亮がいつになく優しいから妊娠しとると勘違いしてんて、ヤスが

「アホ、俺の避妊は完璧じゃ」

「すみませんでした」

「ちゃんと避妊してんねんな」

「当たり前やろ!」

「......はぁ口から心臓飛び出るか思たわ」



泡吹いて倒れた日

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