恋人たちが寄り添う聖夜。赤や緑、白の装飾がされ、キラキラとイルミネーションが街に溢れている。今頃、手を繋いでウインドウショッピングを楽しみ、リッチなお店でディナーをしているカップルはどのくらいいるのだろうか。私にも恋人はいるけれど、今宵は毎年恒例となってきた冬のコンサートが予定されている。
「最高で」
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フー
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「最強の」
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フー
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「関ジャニ」
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えいとー!
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ライブを終えて、各々がシャワーを浴びたり、帰りの支度を始める。
「名前」
『ん?』
「ご飯行こ」
『うん、ええ「あかん」
『何で?』
「今日は俺につきあって」
「ええよ、また今度な」
『ごめんね』
甲斐くんが運転する車に乗って、亮が指定した場所に下ろしてもらうと、時間的にお店はcloseの看板が目立つ。小さな灯りが灯ったお店でご飯を食べて、外に出てみればもう深夜。イルミネーションが輝く街にも、人の気配は乏しくなった。手を引かれて歩けばお店は閉まっているものの、ショーウィンドウに飾られたディスプレイは光を放っていた。
『クリスマスにこうやって外歩くの初めてちゃう?』
「そうやね、ないかもしらんな」
『あ、めっちゃかわいい』
「これ?」
『うん。あ、そういえばこの間ひろちゃんのお友達と飲んでんけどな、やっぱり面白いな、おかまちゃ「なあ」
『ん?どうしたん?』
ゆっくり歩いていると、急に止まった亮の方に体を引かれた。
「あのさ」
『ん?』
「もう付き合って4年やんか」
『うん、そうやね』
「一緒に住んでもうてるし」
『うん』
「付き合う前からも付き合ってからも、ずっと名前のこと好きやねん」
『うん』
「やから...俺と結婚してくれませんか」
『ふふっ、はい』
手を引かれてギュッと抱きしめられると、あーよかった。と耳元で声がした。
「アカン言われたらどうしようかと思った」
『あかんかったら、今一緒に居らんで』
「まぁ、そうやな」
体が離れると、ポケットから取り出されたのはキラキラと輝くリングで、左手を手に取ると、すっと薬指にはめてくれた。
『キレイ。ありがとう亮』
「うん、幸せになろうな」
『うん』
そこそこ顔が知られている私たちが、こんな街中でプロポーズなんてなかなかできない事だけど、亮が意識して選んだのか周りには人の気配はない。イルミネーションがキラキラ光る中、亮の手がスッと私の顔を包む。目が合うと、クッと口角をあげた。
「愛してんで」
『私も』
唇が重なれば、いつもと変わらないことなのになんだか照れくさくて、おでこをくっつけた。息がかかる距離からまた唇が触れる。
「寒いよな、ホテル帰ろか」
『うん』
「続きは帰ってからな」
『アホ』
きっと、亮となら幸せな家庭を築けそうな気がするよ。
「みんなにも言わなな」
『まだええんちゃう?来年で』
「そうやな、ええか」
手を繋いだまま、亮のポケットに手を入れてホテルまでの道を歩いた。
関ジャニ∞名字名前、結婚します。
MerryX'mas