『...』
『...』
「何?」
『なんも』
「ない訳ないやろ、そんなジッと見られて」
『あのさ、』
「ん?」
『忠義って長ない』
「え、何が?」
『名前。忠義って長ない』
「まぁ、そうやな」
『言いづらいし』
「忠義っていつも呼んでるやん」
『そうやねんけど、呼びづらいなって』
「えっ、今さら?もう15年以上忠義なのに?」
『うん』
「なんやそれ」
『ただ...なんか嫌やな』
「うん、いや」
『よし...違うな』
「うん、やめて」
『ちゅう...「やめて」
「たつ!お前俺のTシャツ、ケツで踏んどるやんけ!」
「あ、ごめん」
『あぁ、たつ!』
「た、しか合ってないけどね」
『たつでええやん』
「忠義じゃあかんの?」
『言いづらいやん』
「長年呼んだ名前変える方が言いづらいやろ」
『みんな呼んでるし、大倉でもええやんな』
「名前に大倉呼びされんのめっちゃ嫌や」
『何で』
「やってー、名前には下の名前で呼んでほしいねんもん」
『そんな甘ったれたらポチにするで』
「なんでやねん、でも大倉よりはええかな」
『ポチ、お手』
「わん」
『おりこうさんやね』
「えへへっ、ご褒美に膝枕して(はーと)」
『えー』
「してえやー。いくらでもお手するで」
『お手』
「わん」
『よし』
「ふふふっ」
「...大倉きっしょ」
「きしょくてもええもん」
「亮にどやされるで」
「今居らんもーん」
「亮ー!」
「待って、あかんあかんあかん!」
「すばるくん、なに?」
「なんでもないよ!」
「何でお前が答えんねん」
「...えへっ」
「ごめん、なんもない」
「なんやねんな。あ、村上くん!俺と撮影やって」
「あいあい!ほんなら行こか」
「......ほっ」
きみはペット
(名前、もう一回)
(ポチ、お手)
(わん!)