『ねー、すばる』
「んー?」
オフの日、亮はドラマロケで地方に居て帰ってこないし、章ちゃんに連絡したら仕事やし、すばるに電話したら家に居るっていうから遊びに来た。買ってきたお惣菜を広げて夕飯を済ませ、ソファーに体を預けながら下に座って、本を読むすばるのさっぱり短くなった髪に触れた。
『なんか楽しい事ないかな』
「お前な、急に人ん家来て楽しいことないかなって何やねん」
『別にすばるがつまんないって言ってるわけちゃうやん』
「そう聞こえるわ」
『ってかさっきから何してんの』
「爪切り探してる」
『その棚の1番上の引き出し』
「ほんまや」
『すばるならかまってくれるかなと思って来てんで』
「じゃあかまったるからベッド行くか」
『行かん』
「なんやねん」
『ねぇ』
「ん」
『何で髪切ったん?』
「お前が切れ言うたんやろ」
『そんなこと言うてへんよ』
「ギラギラの衣装買っとくな〜言うたやろ」
『あぁ』
そうだ。髪を伸ばしてるすばるはワイルドやしかっこいいけど、さすがに伸び伸びだったのを見かねて「ALFEEの高見沢さんでも目指してるん?」って言ったんだ。
『そんなことよりさ、今日泊めて?』
「なんで」
『暇やねんもん』
「亮は」
『亮ロケで今日は帰ってこおへんの』
「犬がおるやろ」
『ジャニーさんとこ行ってんねん。誰も居なくて寂しいねんもん』
「子供かお前」
『じゃあ泊まってくね』
「襲うぞ」
『いいよ』
「...アホ、まだ死にたないわ」
『章ちゃんはすぐ泊めてくれるで』
「あいつ男ちゃうからな」
『コーヒー飲む?』
「飲む」
『明日ちょうとレコーディングやし、一緒やからええやん』
「甲斐にバレたら怒られるやろ」
『大丈夫、メンバーなら』
「大丈夫ならええけど。風呂入ってくるわ」
『うん』
「あ、シャンプーないわ」
『右下の棚の中』
「あぁ、あったあった」
お泊まりします
(毎回襲うぞのくだりがお決まりの渋谷。渋谷家を家主より熟知する名字。)