甲斐「ドラマ決まったぞ」
「誰ー?」
甲斐「全員」
「全員?」
甲斐「主演は名前」
「パパドル的なこと?」
甲斐「ちゃんと役名もあるし現実から離れたフィクションだけどな」
「あれもフィクションやろ」
甲斐「ずっと制作サイドが練ってたらしい」
『まさか...恋愛もの?』
「相手は?」
「もしかして...」
甲斐「そのもしかして」
『えっ』
「えっ、ほんまに?」
甲斐「プロデューサーが社長に直談判したんだと」
「よっしゃ!」
甲斐「タイトルが、天秤」
「ほお」
甲斐「今彼役が大倉」
「うえっ!?」
甲斐「錦戸は元彼役。渋谷は大学の先輩、村上は上司、横山はその会社の社長、丸山は同期、安田は錦戸の親友」
「今彼役やのに俺とのラブストーリーじゃないの?」
『元彼とのラブストーリー?』
甲斐「まぁそういうことだろうな。まぁジャニーさんがOKしちゃったけど、どうする?」
「よっしゃ、やっと名前とラブストーリーできる」
「ラブストーリーなんかせんでもいつでも出来るやん」
「そういうことじゃないねん」
甲斐「名前は?」
『やるよ、仕事やし』
.
.
.
「なぁ、」
『ん?』
仕事が終わって家に帰ってきた。ソファーに座ってテレビを観ているけど、せっかくドラマ決まったのに普通な名前。あんま嬉しなさそうやし、さっきも『仕事やし』なんて言ってたし、嬉しないんかな。
「ドラマ、嫌なん?」
『嫌じゃないよ』
「前やりたい言うてたのに、あんま嬉しそうな感じないやん」
『うん...ドラマは嬉しいねんで。亮とってのも嬉しいねん。でもさ、ドラマにまで関係持ってってええんかなって』
「ええんちゃう?求めてくれてんねん。ジャニーさんもOKだしてんねんから割り切ってやったらええやん」
『うん、そうやんな』
なんや、不安やったんや。名前が恋人やから浮かれてるわけちゃうねん、俺も。隣に座る名前の腰に手を回して手を握った。
「俺はめちゃくちゃ嬉しいで、楽しみやし。好きやからとか彼女やからとかやなくても、女優として尊敬してんねん。尊敬できる人とドラマ出来んねんもん、やから嬉しいで」
『そうやね。うん、私も。亮と一緒やったらめっちゃええドラマ出来る気がする』
「ラブストーリークイーンが居ったら百人力やで」
『楽しみ』
「大倉、ずっとぶーぶー言うてたで」
『そうなん?』
「俺と2人の撮影のとき、なんで亮ちゃんなん!ってずっと言うてたで」
『忠義には悪いけど、私は亮とが一番やもん』
「なんやねんそれ、そんな可愛いこと言うなや」
『本当のことやで。どんな人とキスシーンしてもラブシーンしても、やっぱり亮がええなって思うねん』
「俺も、綺麗な女優さんいっぱいおるけど、やっぱり名前やないとあかん」
『ふふっ、照れる』
「なぁ」
『ん?』
「今度さ、旅行行こうや」
『旅行?』
「ドラマ終わったら、いいドラマができました旅行」
『あははっ、まだ始まってもないのに?』
「ええドラマになるやろ?関ジャニ∞みんな出演すんねんから当たり前や」
『真面目なドラマでバラエティーのりになんなきゃいいけど』
「仕事は真面目にする人らやから大丈夫やろ」
『よし、行こう。甲斐くんに休み作ってもらって』
「どこ行く?」
『んー、亮と一緒ならどこでもええよ』
「俺も」
顔を覗き込まれるように唇が重なった。
1番だもん