「...」
「...」
「...」
「...お前さ」
『ん?』
「誘ってんの?」
『は?』
楽屋で雑誌を読んでいると、目の前にいたすばるが真剣な目で聞いてきた。急に何を言い出したかと思えば...隣に座っていた章ちゃんも何のことだかわからずポカンとしている。
『何が?』
「おっちゃんにキスでもして欲しいんか」
『は?』
「さっきからペロペロペロペロ唇舐めて」
『...あぁ』
「あぁちゃうわ、何を誘惑しとんねん!」
『今唇切れてて痛いねん。舐めてまうの』
「おまっ、舐め方エロいねん!」
「ちょっとやってみて」
『...こう?』
「あぁ、確かにエロいな」
『無意識やもん、変な勘違いせんといてよ』
「紛らわしいんじゃアホ!」
『痛いねんもん』
「リップでも塗っとけばええやろ」
『今持ってない』
「俺持ってるで」
『貸して貸して』
「お前ら人のリップとか普通に使えんねんな」
「普通やんなぁ」
『うん、別に章ちゃんやし平気』
「持っといてええよ、持ってないんやろ?」
『ありがとう!あ、じゃあ章ちゃんにはこれあげるわ』
「なになに?」
『じゃーん、ヒロちゃんから貰っためっちゃいい美容液』
「あ、これこの間みた雑誌に載ってた通販でしか買えないやつやん」
『そうやねん!ヒロちゃんに聞いたら持っててん、貰ったからあげる』
「名前のは?ええの?」
『3本貰ってん、だから1本お裾分け』
「めっちゃ嬉しいわ、ありがとう!」
『これでお肌ぴっちぴちやで』
「ヤス、お前キショいな」
「えー、なんでー?」
リップクリーム