INFINITY | ナノ




『信ちゃん』


「なんや」


『大丈夫?』


「なにが」


『疲れてる?』


「全然」


『顔色悪いで』


「そうか?」


『そう。やから、はい』


「膝なんか叩いて痛いんか」


『アホ、膝枕!したるから早よ』


「そんなんしたら亮に殺されるわ」


『大丈夫、早よ』


「せやけどなぁ」


『早よ黙って寝ろアホ』


「じゃあ...お言葉に甘えて」



いつも元気な信ちゃんが何だかいつもと様子がおかしくて、最近忙しくしてるからしんどいんかなって。少しかもしらんけど横になって欲しかった。あれだけ遠慮してたわりには勢いよく頭が倒れてきた。




『信ちゃん』


「なんやねん」


『何でこっち向きで寝るん』


「こっちのが寝やすい」


『...まぁええけどさ』



倒れてきた頭は何故かお腹に向いていて、言ったこっちが恥ずかしくなった。右手を信ちゃんのゴワゴワした髪に、左手を信ちゃんの指に絡ませる。



『なぁ、信ちゃん』


「なんや」


『仕事、入れすぎちゃう?』


「一番忙しいお前に言われたないわ」


『そうやけど、信ちゃん倒れたらエイターも私も悲しいで』


「ん」


『1人の身体やないねん』


「妊婦が俺は」


『疲れたら少し休まな。いつでも膝なら貸してあげるで』


「名前」


『ん?』


「ちょっとだけ寝てもええか?」


『ええよ、順番きたら起こしたるから』


「名前」


『ん?』


「ありがとうな」



返事の代わりに目を瞑った信ちゃんの髪を撫でると、スースーと寝息が聞こえた。起こさないように目の前の音楽雑誌を取った。しばらくすると楽屋ドアが開いて撮影が終わった亮と章ちゃんが帰ってきた。



「あれ、信ちゃん寝てる」


「ん?あ!なんで膝枕してんねん!」


『ちょっ、しー!』


「この間俺が膝枕しようとしたら拒否ったやんけアホ!」


『あれは...』


「村上くんのがええんか、じゃあ村上くんと付き合えばええやろ!」


「人が気持ちよく寝てんのになんやねん、騒がしいな」


「亮が怒って出て行ってん」


「ほらみてみい」


『信ちゃんに怒ってんのとちゃうねん』


「じゃあ何でキレてんねん」


『この間亮の膝枕断ったんよ』


「何で?」


『まぁほらさ、女の子にはいろいろあんねん』


「あぁ、なるほどな」


「何がなるほどやねん、全然わからん」


「そういう時は嫌よな」


「そこだけでガールズトークすんなよ」


『そうやねん、嫌やねん』


「何のこっちゃわからんけど、とりあえずお前行った方がええんちゃうか」


『そうやね、ちょっと行ってくるわ』



起き上がった信ちゃんはさっきよりずっとスッキリした顔をしていて、少しでも膝枕効果があったかな。楽屋を出ると、誰もいない喫煙所で肩を落としている亮を見つけた。



『亮』


「何しにきてん、早よ村上くんに膝枕せんでええんか」


『亮の膝枕断ったの理由があんねん』


「...」


『...お月様の日やったの』


「えっ?でもいつもなら月初めくらいにくるやん」


『今月はちょっと遅れててん。やから』


「なんやもー」


『だから、亮だけとかちゃうねんで。信ちゃん疲れてて顔色悪かったからちょっと膝貸してん』


「俺振られたんかと思った」


『大袈裟。さ、今日はこれで終わりやから頑張るぞ』



お月様の悪戯
(なー、今日飯何?)
(朝筑前煮作ってきてん)
(っしゃ!)




信ちゃんとの絡みリクありがとうございます!こんな感じでお許しください!


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