「名前!」
すばると信ちゃんと隆ちゃんと飲んでから2日後、今日は久しぶりにメンバーみんな揃っての仕事で、楽屋に入ってみると大声で私の名前を呼びながら忠義が抱きついてきた。
『忠義おはよう』
「おはよう、名前大丈夫なん?心配しててんで」
『大丈夫、LINEも電話もありがとね』
「本当は直接会いに行きたかったんやけど仕事でなかなか行かれへんかってん。ごめんな」
『十分やで、嬉しかった。ありがとう』
「たつ、いつまで抱きついてんねん」
「ずっと」
「亮に怒られるで」
『章ちゃん』
「名前」
「安も抱きついてるやん!」
『章ちゃんも電話いっぱいありがとね』
「名前が大変なんやから当たり前やろ、兄妹みたいなもんなんやから」
『うん、ありがとう』
章ちゃんの後ろで背を向けたままソファーに座ってときどき首をちょこっとだけひねってこちらを気にしている人がいる。その姿がちょっと笑えて後ろから抱きついた。
『きーみくん』
「なんやねん」
『あ、つめたい』
「連絡もよこさんと何しとんねんお前」
『ごめんね。侯くんもいっぱい心配してくれたんでしょう?』
「あたりまえやろ、心配せん奴がどこに居んねん」
『ありがとう侯くん』
「………名前?」
一番聞きたかった声が後ろから聞こえた。でもやっぱりなんだか私の心の中はちょっと複雑で、振り向くのに少しだけ時間がかかった。振り向いてみると今にも泣きそうな顔をした亮がいて、目が合うと一直線に抱きついてきた。
「ごめん名前、ほんまにごめん。俺アホやからそれしか言われへんけど、ほんまにごめん」
会う前は、どんな顔して会えばいいのか、この気持ちをどうしたらいいのかわからなかったけど、亮の顔をみたらそれも薄れてきてギュッと力の強くなった亮の腕の中も、この匂いも、私の大好きなもので。亮の後ろの方で椅子に座って雑誌を広げていた信ちゃんがニコッと笑いながらええんちゃうか?と言う様に頷いた。
『私も誤解生む様なことしてごめんね』
「ええよそんなん。名前謝ることしてへんもん」
『亮、好きやで』
「俺も、めっちゃ好き」
『亮もいっぱい心配してくれてありがとう』
「当たり前やん」
『次浮気したらその鼻折るで』
「ええよ」
「ええの!?」
「名前だけやし」
「やっぱり2人は一緒に居るのが一番ええわ」
「なんか2人が一緒に居らんと落ち着かんようになってしもたな」
「うんうん、やっぱりお似合いよね」
「博信お前いつから居ってん」
「たっちょんが名前に抱きついたところから?」
「結構最初から居ったんやね」
当たり前やん