INFINITY | ナノ


数日後、すばると待ち合わせしてご飯でも食べようかと街に出た。メンバーとなら外出をしてもいいと甲斐くんからお許しがでたから。さっきお腹空いたからコンビニ行ってくるわって言うたら「一人で外出たらぶん殴るぞお前」って脅された。



「亮とは会ってへんの?」

『うん、撮影で週刊誌が出る前日に家でてから帰ってないし、エイトの仕事もずらしてもらってるし』

「 亮の話聞いたか?」

『うん、馬鹿正直に言わなくてもいい次の日目が覚めたら女の子のベッドの上にいましたなんていってくれたけど』

「頭良いくせにアホやなアイツ、生きてんの?ってくらいに生気ないねん亮」

『付き合う前は亮が週刊誌に載って女の子と遊んでますなんて当たり前って言うか、何ともなかってんけど、やっぱり立場が変わると違うやん。公表もしてしまってるわけやし』

「まぁそうやな」

『うん、でも好きな気持ちはあるねんで。会いたいなとか思うよ。でも今会ったら私みんなが引くくらい怒鳴り散らす自信あるわ。あはは』

「ええんちゃう、それだけのことしたんや」

『嘘やん、今の笑うとこ』

「アホか、リアル過ぎて笑えへん」

『さりげなく失礼放り込んでくるのやめてもらえます?』


すばるとやっと笑い話になって、くだらない話いっぱいして、最近会ってないメンバーの話もして、今日は連れ出してくれたからご馳走するって言ったら「黙って財布しまえ」って超男前発言に甘えることにした。すばるがお会計をしてる間に先に外に出ようと扉を開けた瞬間、頭にドロッとした感触があった。


『え……』

「名前!大丈夫か!?」


頭のドロッとした感触とそこから伝ってくる生温かい茶色いものと甘い匂い。


「チョコレート?誰やねん」


すばるが上を見上げてももう誰もいなかったようで、すばるが甲斐くんに連絡してくれて迎えに来てもらった。甲斐くんは事務所に行って社長と話ししてくるからとすばるに私を任せて出て行った。自分では何が起こったのかまだちゃんと理解ができてない。ホテルに戻ってとりあえずシャワー浴びてこい。というすばるに頷いてバスルームで身体を洗う。大きな鏡の前に立ってわかったことは、お店を出たところで頭からチョコレートをかけられたってこと。綺麗に身体を洗って部屋に戻ってみると


「アホか!大事にしたないってこれ以上なにかされてからじゃ遅いやろ!」


きっと電話の向こう側は甲斐くんだろうな。すばるの大きい声が聞こえた。


『すばる、大丈夫』

「大丈夫ってお前頭からかけられてんぞ」

『私チョコレート大好き!』

「アホか、笑えてへんぞ」

『女優失格やね』

「アホ」


すばるの腕が首の後ろに回ってグッと抱き寄せられると涙腺の栓がポンと抜けたように涙が溢れ出した。


涙腺




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