INFINITY | ナノ


『信ちゃん』

「ん?」

『...膝借りてもええ?』

「ええよ、おいで」


名前の問いに膝をポンポンと叩いて答える信ちゃん。名前が信ちゃんの膝で寝るときはしんどい時。亮とくっついてからはなかったけど、久しぶりにその光景をみてなんだかホッとした。こんにちは。安田です。



「お前寝れてんのか?」

『んー』

「昨日は?」

『2時間』

「寝とらんやんけ。飯は」

『んー、朝食べられへんかった』

「アホ。あかんやろ」

『甲斐くんに起こしてもらってすぐ家出るから食べる時間ない』

「それでも何か食べなあかんやろ」

『ん...ゼリー食べたい』

「丸、マネージャーにゼリーとおにぎり買ってきてくれて言うてくれ」

「はーい」



そういえば、最近主演と助演ドラマ2本やって、ライブの打ち合わせやらリハーサルやらして多忙すぎてせっかく堂々と会えるようになったのにゆっくり一緒にいる時間ないねん!あいつどんだけ売れっ子やねん!俺を殺す気か!と亮が嘆いてたっけ。


「ゼリーと明太子おにぎり誰ー?「

「名前」

「ほら、名前食べ。おにぎりも」

「食べてへんの?」

『ごめん、おにぎりいらん』

「朝から食べてへんのやろ、食べな」

「食え」

『ゼリーだけでええ』

「...ほら。」

『...』

「食わんと身体動かんぞ。一口でええから食え」


亮がおにぎりの包装を開けて差し出すと一口かじった。


「ええ子や。まだもうちょいあるから寝てええで」

『うん』


ゼリーを半分残してまた信ちゃんの膝枕で横になるとスヤスヤ寝息をたてた。信ちゃんは名前に結局甘い。でもこういう時はいつもデレデレな亮が厳しい。口調は強いけど、これも亮なりの優しさやんな。かわいい。



優しさ
(よく寝てるな)
(亮ちゃん亮ちゃん、信ちゃんの膝枕はええの?)
(村上くんの膝にだけは勝たれへん)


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