INFINITY | ナノ


何とか終えた番組の収録。踊ってる途中、トークの合間にすばるの視線が痛かった。


「名前」

『ごめん、着替えなあかんから後でもええ?』

「あかん。お前具合悪いんか?」


足を進めようとすると手首を掴まれた。


『悪くないよ』

「踊ってる時何で顔歪めた」

『ジャンプした時足捻っただけやて』

「嘘つくな。亮に抱きつかれた時も顔歪めたやろ」

『歪めてへんよ』

「じゃあ何で腹おさえたん」

『何でもないよ。もう着替えな撮影間に合わへんで』

「なら楽屋で着替えろ」

『女の子やで私』

「いつも下着でうろちょろしとるやろ」

『ええから離して』

「吐くまで離さへん」

『離して!』

「どないしてん、そんな大っきい声だして」


廊下で話してたから中まで聞こえた様で楽屋から信ちゃんが顔を出した。その声に手首を掴むすばるの手が一瞬緩んでヒロちゃんの姿を視界に捉えると


『ヒロちゃんお着替え〜!』


とその場を離れた。後ろから私を呼ぶすばるの声がしたけど、振り返らずにヒロちゃん手を引いた。


着替えて雑誌の撮影。よりによってすばるとの2ショットで、遅れてきたすばるが目の前に立って私を睨んだ。


『何?...っ!?』


黙ったまま指で痣を衣装の上から突く。突然の事で顔を歪めた私に目の前からため息が聞こえた。


「アホかお前」


すばるの言葉に眉間に皺を寄せてカメラの後ろにいるヒロちゃんを見ると申し訳なさそうに手を合わせて"ごめん"と口を動かしていた。


『はぁ...あのアホ』

「はいっ、撮影始めまーす。名前ちゃんソファー座ってすばるくん後ろ立ってー。はいじゃあ撮っていきまーす」

カシャッ

「いつやられた」

『...一昨日』

「笑顔くださーい」

カシャッ

「誰やモデルって」

カシャカシャッ

『前に亮に言い寄ってた子。言わんといてよ亮に』

「ソファーの上乗って背中合わせで座ってー」

カシャッカシャッカシャッ

『みんなにも』

「そういう訳にはいかんやろ」

カシャッ

『亮に言うたら何するかわからへん』

「またあの時みたいになりたいんか」

「立って近くで向かい合って〜」

『…そうじゃないけど』

「黙ってたら方が怒られんで」

カシャッカシャッカシャッ

『痣が消えれば何とでも言える。大丈夫』

「フィルムチェンジしまーす」


スタッフの気が逸れているのを見計らってすばるが私のシャツ少し捲り大きなため息をつかれた。


「こら時間かかるで」

『まだ仕事でしか会われへんから大丈夫』

「黙っといたるわ。その代わり、なんかあったらすぐ俺に連絡せえ。博信でもええわ。せえへんかったら言うからな」

『ありがとう』



観察力
(すばるに隠し事出来へんな)
(当たり前やろおっちゃんなめんな)
(お見それしました)



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