INFINITY | ナノ


『はぁ...』


アイドルというのは恋愛御法度です。
恋愛禁止という掟のあるところもあるけど、ジャニーズ事務所は別に恋愛禁止ではありません。
でもやっぱり夢を売る仕事だからやっぱり恋愛事はないほうがいい。
ファンの子ががっかりするから。
応援してくれるファンの子も多いけど、やっぱり認めたくない子もいて


『やっぱりそうなるやんね』


こうゆうことを引き起こす。よくないファンレターはスタッフの手で本人に渡る前に捨てられちゃうからそれを知ってか知らずかご丁寧に直接うちに届く手紙もあって。今回は宛名も何もない赤い封筒がポストに入っていた。



《不釣り合いだから別れろ》

だの

《尻軽女》

だの

《調子にのるな》

だの色んな手紙が届きます。差出人は大体が不明です。ある程度は予想してたよ。経験済みだもん。昌くんと付き合ってた頃にもデビュー当時も。昌くんの時と違うのは


《亮ちゃんと名前ちゃんが付き合ってくれて嬉しい!》

とか

《お似合い!幸せになってください!》


なんて声も多いこと。でも


『ヤリマンて...何を見て言うてんねんな』


ここ数年は無くなってきたと思ってたのに亮との熱愛が出てから2週間、また復活です。


次の日も


『いたっ...』


刃物が入ってることだって珍しくない。前は使用済みのゴムがいっぱい小包で届いた事もあった。待ち伏せされて暴行されたこともあった。水着の撮影のときヒロちゃんに痣綺麗に隠してもらうのに3時間くらいかかったっけ。


『大丈夫...うん、大丈夫...』


自分に言い聞かせるように呟けば、心配そうに2匹の息子達が足元にすり寄ってきた。


『心配してくれてるの?ありがとう。このくらい大丈夫やで』


手紙をくしゃくしゃの丸めてゴミ箱に投げた。


『...大丈夫...大丈夫』




不幸の手紙
(私にだって幸せになる権利はある)













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