short | ナノ
君が望むような恋愛を、僕はさせてあげれてるだろうか。
時折見せるその寂しそうな目に、僕は堪らなく不安になるんだ。
きっと、こんな言葉が欲しいんだろうな。
あんな事したいんだろうな。
そうやって君の考えてる事を想像しながら、君を見つめる。
「なあに?」
ちょっと寂しそうな目で、君はふわりと笑った。
甘え下手な君だから、きっと頭の中で色々考えてるんだろう。
口下手な僕が、もっと君を安心させれる言葉を紡げば良いのに。
きゅっと手を引き寄せて君を抱き締めると、小さな体は僕の胸にすっぽりと納まった。
伝わる温もりの、愛しさを噛み締める。
「突然変なの。」
そう言うけど、きっと嬉しそうにはにかんでいるに違いない君。
見たいけれど、君は恥ずかしがるだろうから今は見たりしない。
「抱き締めたくなっただけ。」
「ふぅん。」
抱き締めて、伝わる温もりから僕の想いも君に伝われば良いと思う。
飾らないありのままの気持ちが、ストレートに届けば、君も不安になる事はないはずなのに。
ぎゅっ、
抱き締める腕に力を込める。
腕に納まるのは、僕の愛しい君。
言葉にするのは難しいけど
(君の為なら、頑張れる気がするよ。)
「…好きだよ。」
ああ、君は一体どんな顔をしているんだろう。
20120827