short | ナノ



君のことは好きだけど、僕が1番好きなのは僕自身なんだ。
君のことを愛してるけど、僕が本当に愛してるのは、紛れも無い僕自身なんだ。
君が僕を好きでいてくれる理由は知らないけど、僕が君を好きな理由は簡単さ。
僕が大好きな僕を君は、好いてくれるからだよ。

1番可愛いのが自分なのは当たり前だろ?
自己犠牲の精神なんて、そんなチンケなもの僕には備わっちゃいない。
人間最後には自分なんだ。
きっと君だってそう言うはず。


「…返事してよ。」


血塗れになって笑う君の顔を見たいわけじゃないんだよ。
僕が優しい言葉なんて、かけるとでも思ったの。
薄く笑いを浮かべた君は、いつもみたいに手を伸ばす。
君の長い手が、僕の頬に触れる。この仕草が好きなのは、特に理由はない。


「…ねえ、」


何考えてんの。
返事は中々返って来ない。
僕は何考えてるかって?僕はね、


(君に生き延びてもらう方法。)



君が死んじゃって悲しむ僕なんて可哀想だからさ、君には僕より長く生きて欲しいんだよ。
ねえ、聞いてる?





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