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君の笑顔が好きだ。
君の笑顔を守りたい。
僕の願いはそれだけで、僕の存在理由もそれだけ。
だから、少し重く聞こえるかもしれないけど、君が僕の全てで、つまりは君が僕を生かしてる。

どれだけ危険な場所へ赴いても、命の危機を感じても、君のためだって思っただけで何も怖くはないんだ。


だけど。



「おかえり」


僕を見上げて微笑む君。
そっと傍まで来て寄り添う君。
触れ合ったところから、微かな温もりが伝わってくる。
僕はゆっくり深呼吸すると共に瞼を綴じて、再び開けた。


「無事で、良かった」
「…うん」
「生きてて良かった」
「…うん」
「おかえり。」
「ただいま。」


強く強く、有りったけの愛を込めて抱き締める。
ふわりと香る、よく知った君の香り。
僕はそれを噛み締めるようにまた瞼を綴じた。


とく、とく
心音が伝わってくる。
温もりを感じる。
君と僕に血が通っていて、生きている証。


「…ねぇ、」


君のためなら僕はいつだって死ねるんだ。


「何?」


君に与えて貰ってばかりの僕だから、君に返せるものなんてない僕だから。
この命なんて、惜しくも何ともないんだ。
そんな僕だけど、ああ、今はこの胸いっぱいに溢れてる君への想いで頭がパンクしそうだ。



「…愛してる。」



擦れた僕の声を聞いて、君は綻ぶ笑顔を見せた。



君がため
(惜しからざりし命さへ)



惜しくもないと思っていた命のはずなのに、君に会ったあとは必ず長生きしたいと思うんだ。
願わくは、長い人生の最後は君と迎えたいと。
ああ、欲張りな僕を赦しておくれ。





20121201




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