戦闘訓練





あれから何事も無かったかのように教室に戻った私達。

だが二人一緒に戻ってきたのが衝撃的だったのか教室に入った瞬間質問攻めが止まらなかった。


「え、轟ちゃんと彩ちゃん付き合ってるの!?」

「え、轟マジでか!?」

「まさか轟さんと彩さんがそんな関係だったなんて…知りませんでしたわ」

「轟ちゃんと彩ちゃんなんて意外な組み合わせね…ケロッ」

「む、確かに恋愛は禁止されていないが適度を弁えるように!」

わんやわんや。
皆様が寄ってきておめでとう、だの本当に!?だの…ええと、違います。

「あ、あの…たまたま焦凍くんが迎えに来てくれただけであって付き合ってるとかではなくて…」

私にしては大きな声で反論するも皆様の声が大きいのか届かない模様。

「男なら男から告白したんだよな!?」

(告白!?そんなのされてませんし焦凍くんも何も言わず無言を貫き通すのではなくきちんと反論してください…!)

「あ、あの!」

そこで私は私にしたらそれはもう特大の大きな声をもう一度出した。

(群がっていた皆様の視線が痛い…いや、でも負ける訳にはきちんと弁解しなくては焦凍くんに失礼です!)

「たまたま!焦凍くんが保健室にわざわざ私のために出向いてくれたおかげで一緒にいるだけです!そ、その……つ、付き合ってるとか…焦凍くんに失礼です!」

言い切った、言い切ったよ私…。
そして流れる沈黙。


「なんーんだ俺たちの早とちりだったのか」

「轟ちゃんも否定しないから本当かと思ったわ…ケロッ」

「まぁ、そうでしたの…」

皆様方各々の反応をしながらも納得してくれた様子。
そして各々椅子に戻っていく。

(よ、よかったです…私と焦凍くんなんて釣り合わないにも程がありますし恐れ多い…)

「彩」

突然のことにビクッと肩を揺らしながらも、なんでしょう?、と声の主、焦凍くんに答える。

「まぁ今はそれでいいよ」

「……へ?」

と言いスタスタと自分の席に戻っていく焦凍くん。

残ったのは私の間抜け面だけでした。






















*









そして緑谷さんも無事に教室に戻ってきて通常通りの授業が行われた。

緑谷さんを心配する人々の中に1人緑谷さんを睨んでいる男の人が居ました。

(確かあの爆発頭は…身体測定の時に死ねぇといいながらボールを投げた人…。なんで緑谷さんを睨んでるんでしょう?)

と疑問に思いながらも事件は起こった。









「わーたーしーが!普通にドアから来た!」

銀時代のコスチュームできたオールマイトさん。

(やっぱり平和の象徴とあって風格もありかっこいいです…!)

オールマイトさんが持つのはヒーロー基礎学。
そして今回学ぶのは敵VSヒーロー。
それは戦闘訓練の1種だった。

2対2の屋内対人戦闘訓練を行うとあったが私は特別に不参加扱いとなった。
理由は私の個性が治癒系でありもし怪我人とかが出たら私が治癒するためである。

(怪我人とか放っておけないですし戦闘訓練なら何回もやりましたし…!)

私は過去にこの学園に保護されてから戦闘訓練など一通りの授業は受けてありもう一度同じぐらいの歳の子達と授業した方がいいんじゃないかな、という校長先生のご好意で私は1-Aにいる。

勿論入試試験もしたがそれも満点の文句なしだった。

そして屋内対人戦闘訓練が開始された。