起きて鏡の前に立ったら体が縮んでいた。
いや、どこのギャグ漫画だ。
基本私は夜型で起きるのは夜だ。
今年32ともあろう女が見た目完全に幼女、5歳ぐらい。
しかも今日は彼氏の降谷零が来る日だ。
え、どうしようなんて言い訳しよう…そんなことを悶々と考えてるうちになるスマホ。
見てみると今から行く、という零からのLINEメッセージ。
(ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ディスティニー!!!!死ぬ!!!今の姿見られたら死ぬ!!)
どう隠れようかどう言い訳しようかと考えること30分。
ピンポーンとなる無慈悲なインターホン。
コソッと見てみると相手は彼氏の降谷零。
(ディスティニー!!!!)
うぁああと叫びながら最善策はどうするべきかと悩んでるあいだに勝手に入ってきた彼氏の降谷零さん29歳。
おま、またピッキングしやがったな、という思いを込めて言おうと思ったがガン見されて何も言えなかった。
「……もしかして、だが」
「…そのもしかしてよ……」
「…………」
暫しの無言。
零は顔を下に向け体がプルプルと震えていふので怒っているのだろうか。
なんて言われるかわからず身構えてしまう。
そして顔を上げ口を開いた一言は、
「可愛い!!!!」
ロリコンですかおまえは。
*
とりあえず今までの経緯を簡単に話した。
まぁ、聡い零ならすぐにわかるだろうけど話を聞きながら私を膝に乗せて頭を撫でるな幼女扱いするな今は幼女だが心は32歳なんだぞ。
殴り飛ばしてもあまり威力がないことはわかっているので敢えて何もやらないが本当に腹立つ。
殴りたい、元の姿なら殴っていたのに。
しかも服がなかったから幼少期に来てた服を引っ張り出して今着ているため見た目は幼女、心は大人だ。
「零…そろそろ頭撫でるのやめないと殴り飛ばすよ?」
「その姿で言われても説得力ないな」
くそ、グウの音も出ねぇ。
しかも最初は私と幼女プレイもいいね、と言いつつ押し倒してきた。
それには全力断固反対してなんとかさっきの形お膝に抱っこ頭撫で撫でに至る。
さてはてどうしたものか。いつになったら治るのか、いつになったら殴れるのか…謎は深まるばかりである。
「幼女さん、俺と買い物に行かない?」
「幼女さん言うな。え、なんでよ」
「服を買ってあげたいから」
「え、結構です」
「まぁまぁそう言わずに…」
と、グイグイ引っ張られ抵抗したが所詮幼女の力。
何も出来ない非力な私は零の車RXー7に乗せられどこかに向かって発進した。
(噛み付いたり足踏んだりしたのに何も感じない感じだった…流石ゴリラ)
*
そして着いたショッピングモール。
そしてグイグイと引っ張られて連れていかれる子供服売り場。
これももちろん抵抗した。
然し幼女の力、何も役立たなかった。
最早ドナドナ状態だ。
(いつもの姿なら蹴り1発ぐらいかませるのに…!)
歯痒い思いをしながら着いた子供服売り場。
「妹さんですか?かわいいですね〜」
「いえ、違いますかの…「妹です!!!!わー、零お兄ちゃんとの買い物楽しいなぁ」
(なんてことを口走ろうとしてるとんだこの男。幼女の振りも大変だなこりゃ…。世間体を考えろ!)
と思い足を思いっきし力を込めふんでやるがノーダメージ。
(早く本来の姿に戻って〜!!!)
私の心の叫び虚しく定員さんと零は意気投合したのかわたしに服を合わせてはあーでもないこーでもないと言っている。
私的にはフリフリのドレスとかやめてほしいから全力否定したのに何故か買うリストに入っていた。
解せぬ。
そして何故か靴も合わせられ服と合わしながらまた零と定員さんであーでもないこーでもないと言っている。
いや、私の服なんですけど、と今ツッコンだら面倒くさそうだから放置している。
私が放置を飽き少し意識を飛ばしてる間に何という早業、なんと零は服を5.6着買って買い物を済ましていた。
「ありがとうございました〜またのご来店をお待ちしております」
定員さんに見送られながら出た子供服売り場。
しかもよく見たら服だけではなく靴や靴下まで買っていた。
(いやはやそんなにこの状態長く続かないだろ…続かないよね?え?)
「ねぇ、零」
「ん?なんだ」
「この状態楽しんでるでしょ」
「はは、なんのことだかさっぱりだな」
(こんの確信犯めぇ…!!!)
「で、次はどこいくの?というかお腹すいた」
「なら、ポアロでサンドウィッチセットはどうだ?」
「なんで本人がいるのにサンドウィッチセットを頼まなきゃならん。今日は非番なんでしょ?両方とも」
「ああ…そうだが…」
「なら、私の家で作ってよ…それでケーキも一緒に食べよ…」
握られている(強制)の手を思わずぎゅっと握る。
「…!ああ、そうだな。食品売り場に寄って帰るか」
「うん……」
幼女の分あざといと思った降谷零さん29歳。
*
食品館で無事買い物を済ませ零のお手製サンドウィッチを食べケーキを冷やしてる間に零が突然妙な事を言い出した。
「この状態での交尾もいいかもな…」
「ブーッ!!!」
私は思わず飲んでいた麦茶を吹き出した。
零は汚いな、と言いつつ後処理をしてくれる。
(というかこの男なんといった?この姿で?元の姿ではなく?どんだけプレイにこだわりがあるの?怖いんですけど)
「あ、明日もこのままならね…」
零の目が真剣だったのでそう答えるしかできなかった。
チン、とタイマーがなりケーキが冷え丁度いい時間になった。
(ナイスタイミングよケーキ!)
「れ、零ケーキ食べましょケーキ!私も零の作ったケーキ食べたいなぁ早く」
「(あざとい…ぶち犯したい)」
「零?」
「……ああ、今すぐ持ってくるよ」
そして運ばれてきた零特製のフルーツケーキ。
「わああ…!!美味しそう…!!!」
「切ってやるから待ってろって」
思わずフォークを持ちケーキ!ケーキ!と連呼する私を見て微笑む零。
キュン、と心臓がなったのを気付かないふりをして零特性ケーキを待つ。
夜に甘いものを食べたら太るって?幼女だからいいのさ!と自己完結して零のケーキを食べる。
「んんーっ、美味しい」
「それはよかった」
1口、2口と手が止まらない。
そして突然の睡魔。
「あれ、ごめん零…ちょ、っと眠たいかも…」
「なら無理して起きてる必要は無いぞ」
「なにかこのケーキに仕込んだ、で、しょ…」
「さぁ?」
と妖艶に笑う零の姿を見てそこで私の意識は途切れた。
*
今日珍しく起きたら朝だった。
隣には当たり前だろという感じで寝てる零。
動かない頭でぼーっとしてると零が起きたのかもぞもぞと動きだした。
「ああ。起きたの。姿…変わってないな」
(姿?)
と思い、自分の体を見る。
そして思い出す昨日の悲劇。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙私の体戻ってないじゃん!!!ディスティニー!!!」
「…もちろん、昨日の約束は覚えてるよね?彼女さん」
「約束って…何のことかしら覚えていないわ」
(いやバリバリ覚えてる。要約すると私をぶち犯したいだ。忘れる方が無理な話だ)
「昨日は我慢したんだから今日は俺の独壇場だな…」
そっ、と押し倒される体。
そして両腕を抵抗できないように片手で抑えられる。
「えっ、ちょっま、って本気なの!?」
「俺が嘘をついたことでもあるか?」
「いや、ないけど…ここで実行しなくていいー!!!」
という私の叫び虚しく零には思う存分喘がされ犯されました。