「えーしろー、沖縄に帰りたいさぁー・・。サーターアンダギー食べたい・・・。」

「我慢しなさい、なまえ。皆帰りたいのは一緒なんですよ。」

「監督ぅー・・。私のこと気に入ってくれてたから私の分くらい送ってくれたって良いのに・・・・。」

「抜け駆けは許さないさー!」

「ゆうじろー、暑い、くっつかないでー。」



全国大会終了後、私たちは帰りの飛行機に乗り遅れた。

帰りたくても旅費が無いために帰れない。今は徒歩とヒッチハイクの繰り返しをしてようやく大阪までたどり着けたところだ。

永四郎達は並外れた体力の持ち主だからまだまだ余裕そうな顔をしてるけど、大会終了したばっかりだからそろそろ私の体力が限界だ。



「よく考えたら九州着いても沖縄までは海を越えないといけないんだよね。」

「そうですよ。」

「どうするの?」

「そんなん泳ぐに決まってるさぁー。」

「ああああ、監督ー、馬鹿は置いといて良いからやっぱり私の分だけ旅費をー!」


横からの凛の爆弾発言に嘆いていると知念に冗談だと伝えられてどうにか落ち着く私。

だってこいつらなら本当に泳いで帰りかねない。



「そうですね、やっぱり船をヒッチハイク、もしくはとりあえず乗せてもらって沖縄着いたら監督に無理矢理船代を払わせる、ですかね。」

「後者で帰るさ!あのハゲちぐるーに金払わせるやっしー。」

「というか凛も座ってないでヒッチハイクしなよ!」

「なまえに言われたくないさぁー。」



言うの忘れてたけど、私たちは今路上で必死にヒッチハイク中。どうにかここから山口県らへんまで乗せて行ってくれる人は居ないだろうか。

・・・無理だな。せめて兵庫まで・・・・・。



「しょうがないさぁー。・・・・なまえ。」

「ん?」


ヒッチハイクのお願いを書いた看板を首に下げている裕次郎は私の方を見た。

上から下まで品定めをするように私を見る。そして真剣な目をして私の両肩に手を置いた。



「な、なに?」

「・・・・ちょっと胸が足りないけど、どうにか色仕掛けで運転手を悩殺するさ。」

「あ、アホじゃないの?!無理に決まってんじゃん!」

「そうそう。なまえには無理だがや。」

「田仁志は黙ってな。」



後ろのほうから聞こえた田仁志の失礼すぎる発言を一喝してため息をつく。

色仕掛けって・・・・。掛けられたら一人で飛行機乗って帰ってるわ。そう悪態をつくと、永四郎が私の肩をポンと押した。



「ほら、ため息ついてないで歩きますよ。」

「えー!また歩くのー?!」

「もう歩きたくねーらんよ!」

「そーさ永四郎!もう足がガクガクさぁ!」

「わがまま言うんじゃありません。ひたすらヒッチハイクしてる知念君と新垣君と不知火君を見習いなさい。ゴーヤ食わすよ。」

「「「・・・・・。」」」




帰れるかなあ・・・

****
沖縄語変換サイトを使おうかと思ったんだけど、あんまり沖縄語使っても私含めて本州の人は意味が分からなくなっちゃうんじゃないかと思って、語尾だけ出来るだけ(?)沖縄語。
エセなのは勘弁してやってください。もしも間違ってて気になる言葉遣いがありましたらこっそり教えてやってください^^←

あ、オチなくてごめんね←

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