※お正月からR-18仕様(当社比)ですので苦手な方はご注意ください。












「お、日付変わったぜよ、柳生。あけましておめでとさん」


にこりと笑う仁王の笑顔が、わざとらしくて憎い。文句を言おうとした柳生の口から、艶めかしい喘ぎ声が漏れた。


「気持ち良いまま年越せて良かったのう……しかも皆一緒じゃから楽しいのう、柳生」


楽しくない。全然楽しくない。

意に反する快感と嬌声、それに伴う恥ずかしさと悔しさと──何より気になるのは周囲の目。こんなあられもない自分を、彼等はどう思っているのか。いや、それよりも──……


「大丈夫じゃって、皆自分達の世界に入っとるけ……ほら、見てみんしゃい。参謀だって気持ち良さそうにしとる」


仁王の視線の先──隣のベッドを見やれば、柳生の親友・柳の姿。達人と呼ばれ厳格そのものの彼も、今は赤也の下で普段からは想像できない様を見せている。

その柳と赤也の繋がった箇所が、柳生からはよく見える。そこを赤也が出入りする度に、気持ち良さそうに鳴く柳の声。初めて聴くそれは、柳生の聴覚を通じて身体を蝕んでいく。

柳生の視線に気付いたのだろうか。不意に惚けている柳と目が合った。


「……ぁあっ!!」

「ほら、柳に見せてやりんしゃい。お前の気持ち良さそうな顔」

「んっ、ぁっ、ふぁっ、ぁっ、だめです……っ」

「……あれ、柳さんも柳生先輩の声聞いて感じちゃった? じゃあもっと気持ち良くしてあげますね、柳生先輩に負けないくらい」

「それは俺にケンカ売っとるんかのう、赤也」

「えー……あ、でも面白そうッスね。どっちがより気持ち良くさせられるか」


冗談じゃない。競争のような、そんな事をされては身体が保たない。

それだけはやめてほしいと、懇願するように柳生は首を横に振った。こんな時に真っ先に止めてくれる真田も、今は当てにならない。

そもそも何故こんな事になったのか。

ただ皆で年を越そうと柳の叔父が経営するペンションを借り、その叔父が不在なのを良い事にちょっとお酒を飲んでいただけなのだ。真田はもちろん止めたが、幸村が上手く丸め込んでしまった。

ふと目に入った鏡に、真田の姿が映る。

酒のせいで上気している彼は、鏡台に手をつき後ろから幸村を貫き揺らしている。特に嫌がる素振りも見せない幸村は、目の前の鏡に映る自分達の姿に恥ずかしさを覚えながらも、その行為を楽しんでいるようだ。

丸井とジャッカルも同じ。

ただ彼等の場合はソファーに押し倒されたジャッカルの腰に丸井が跨り勝手に挿れて動いている──つまりは立場が逆とはいえジャッカルが襲われているのだ。

その襲われたはずのジャッカルも、今はもう理性が飛びかけているのだろう。丸井の腰をしっかりと掴み、下から突き上げて丸井の様子を見て楽しんでいる。

酒というものは恐ろしい。常識人ですら、こんな風にしてしまうのだから。


「んぁっ、ぁっ、にお……くん……」

「ほら、皆楽しんどるじゃろ。お前も素直に楽しみんしゃい」


仁王が奥を突き上げる。一番弱いそこに触れられてしまえば、柳生はその快楽にどうしても抗えなかった。


「あの、仁王先輩……そっち行っても良いッスか?」

「……は? いや、待ちんしゃいお前。さすがに男四人は狭いじゃろ」

「だって何か柳さんが……」


赤也に抱き起こされた柳が、仁王と柳生を見て艶やかに微笑む。何故だろう。相手が柳だというのに、嫌な予感しかしない。


「だめっ、切原くん……んっ……だめです」

「良いぜよ、来んしゃい。お前楽しそうじゃな、参謀」


そう、何故か柳は楽しそうだった。

仁王に許可された柳は、赤也に連れられて柳生達がいるベッドに近寄る。仁王が柳生を端に寄せた事で空いたスペースに柳が乗り上げ、目が合った柳生にふわりと微笑みかけた。

そして。


「ふっ、あっ、あぁっ、だめっ、柳君……んぁぁっ」


柳は柳生自身を舌先で辿った。先端から零れていた欲を舐め上げ、チロチロとそこだけを攻め始める。右手が柳生の乳首に伸び、そこを弄んだ。


「柳生先輩苛めて楽しいのは分かるッスけど……俺の事も忘れないでくださいね」

「……んぁっ!」


柳の耳元で囁いた赤也は、今度は後ろから彼を貫く。それでも柳生と遊ぶのはやめず、柳は勃ち上がったそれをゆっくりと口腔内に納めていった。

後孔にいた仁王が、タイミングを計りながら断続的に突き上げる。たまらずシーツに縋った柳生の瞳から、涙が零れ落ちた。


「良かったな、柳生。参謀にも可愛がってもらえて嬉しいじゃろ?」

「今日だけッスよ、柳生先輩。柳さんも」

「……んぁっ、ふっ、俺は……っ、なかなかっ、楽しいが……?」

「やっぱ柳さんってビッチ。薄々思ってはいたけど」


仁王と赤也の目が合って、二人が不敵に笑う。パートナーをイかせるべく、それぞれの一番良いところを突き上げ始めた。

快感に息を詰めた柳は、その意図が読めたのだろう。唾液をたっぷりと柳生自身に垂らし、濡れた音を立てながら絶頂を促す。

耐えられない。こんな快楽、耐えられるはずがない。


「ぁっ、ぁっ、んぁっ、ゃあぁぁぁ……っ」


前と後ろ、同時に温かさを感じながら、柳生は我慢していた白濁を柳の口の中へと放った。


「今年もよろしくな、柳生」


声と同時に、柳生の中にじんわりと温かさが広がる。

こんなパートナーと仲間達と、果たしてどんな一年になる事やら──柳生はなんとなく目眩を感じ、深く息を吐き出した。









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