「ゃっ、ぁっ、にお、君……ぁんっ」 白い裸体にエプロンだけを身に付けた柳生は、想像以上に可愛かった。裸エプロン姿が……というわけではない。隠しているようで隠せていない恥ずかしさがあるらしく、いつも以上に扇情的な柳生は、意図せず仁王の欲をそそる。 それにいつもと違うこのシチュエーションが、柳生の羞恥心を更に煽っているのだろう。僅かに残る理性が、柳生の瞳に涙を彩る。上気した頬に触れれば、その瞳が仁王を見つめた。 「煽るのが上手いのう」 「何故、わざわざ場所を……んっ」 「だってエプロンといえばキッチンじゃろ?」 「だからって……あぁっ」 テーブルに手をついて腰を突き出した柳生の中を、背後から仁王が出入りする。不意打ちのように弱い場所を擦ると、その度に柳生は甘い声を上げた。 「変態! 仁王君は、変態ですっ!」 「それ言うなら柳生もじゃろ。こんなトコロでこんな格好で犯されて……こんなに喜んどる」 「んぁっ、ぁ……っ!」 「あーあ、エプロンに染み作りおって……」 布を押し上げた柳生自身が作り上げた染み。それを見せつけるように撫でてやると、柳生は嫌だと頭を振る。 隙間から胸元に手を滑らせてそこをくすぐれば、柳生が唇を噛むのが分かった。けれど耳を食むように愛撫しながら最奥を突き上げれば、柳生は呆気なく感じきった声を響かせる。 「のう、柳生。柳生が観たAV、どんな感じじゃった?」 「どんな……?」 「柳生みたいにアンアン鳴きよ……痛っ! 痛いぜよ柳生! お前、足!」 「あぁっ!」 顔を真っ赤にした柳生に思い切り足を踏まれた代わりに、弱い場所を何度も擦ってやる。続けざまに最奥を数度突き上げれば、柳生は仁王を締め付けながら果てた。 同時に仁王もその暖かい中に欲を放つ──はずだった。 「お前、自分だけ気持ち良くなりおって……どういうつもりじゃ、やーぎゅ?」 「ただの嫌がらせ……ですよ、仁王君」 仁王の根元を柳生の指が抑えつけていた。そのせいで達する事ができない仁王は、柳生の中で自身を更に大きくする。 「……っ、離れてください、仁王君」 「何の嫌がらせじゃ」 「いいから、離れてください!」 いつもより低い声音に怯んだのだろう。仁王は不満そうな顔をしながらも、大人しく柳生から離れた。 はぁっ、と僅かに息をついた柳生は、くるりと振り返ると艶やかに微笑んでみせる。妖しげな瞳が仁王を射抜いた。 「バックも悪くないですが……」 言いながら、柳生は自らテーブルに腰掛ける。 「正面から見る私も、悪くないでしょう?」 「……悪くないのう」 大きく足を広げた柳生の指先が、見えるか見えないかというギリギリのラインでエプロンを捲る。 普段より大胆な姿に煽られた仁王は、まず柳生のその唇を貪る事にした。 ※ ※ ※ 「仁王君の変態」 「お前だって楽しんだじゃろ」 「裸エプロンのどこが良いんですか?」 「それ俺も聞きたいナリ。裸エプロンでなんであんなに感じ……痛いっ、腹抓りなさんな!」 「うるさいですね。少し黙りたまえ」 「何じゃ。途中から自分が誘っとったくせに……」 「何か言いましたか?」 「たまには中学の頃みたいに素直に抱かれりゃ良いんじゃ」 「仁王君は素直な私が好みですか?」 あれだけ嫌がっていた裸エプロンだが、最後は柳生も楽しんでいた。それは事実。けれど柳生が認めるはずもなく、仁王はそれ以上言わない事にした。 代わりに腕の中にいる柳生を抱き寄せると、その額に唇を落とした。 「素直な柳生は好きじゃが毒気のある柳生も好きじゃ」 「愚問でしたね」 言いながら、今度は柳生からキスをくれる。 二人でイタズラっぽく笑い合うと、どちらからともなく唇を重ねた。 |