何年も前からだ、こんな気持ちをどこにもやれないまま悶々としてたのは。俺も俺で本当に馬鹿だと思う。



「いーちごー、おっかない顔してるー」
「あ?」
「おっかないー」



俺の眉間を指でぐりぐり押しながらケタケタ笑うこいつは、こいつは…。



「なあ、 ×××」
「んー?」
「お前さ、今」
「ごーめん、電話だ!ちょっと待っててね?これ終わったらすぐに構ってあげるからさー」



最近、あいつに電話がよくかかってくるようなった。一緒にいても、基本ケータイいじらねえやつなのに、最近は違う。たぶん、彼氏が出来たんだと思う。こんなことは今までに何度もあった。あいつに彼氏が出来て、のろけ話聞いてやって、別れたら慰めてやって。何度も繰り返してきた。いつものことだ。いつもの、俺達だ。



「ごーめん、いちごー」
「………、」
「いちご?」
「俺達、もうこうやって会うのとかやめよう」
「え?何で?」
「お前、彼氏出来たんだろ?」
「…う、うん」
「普通、彼氏いるのに男と2人で会ってちゃまずいだろ?」
「でも、いちごは大事な人だもん!だから、だから」
「また、別れたら慰めてやるからよ」 



これで、いいんだ。いつまでも、こんなこと繰り返してたら、いつかこいつは知らない誰かと結婚とか、しちまうのかな。それは、ちょっときついな。



「じゃあ、 ××× 、またな」
「いちご!」



今年もだいぶ寒くなってきた。そういや、昔はクリスマス一緒に過ごしたこともあったっけ。懐かしいな。



(俺が一線を越えてしまっていたら、世界はひっくり返っただろうか)

2013/11/22.

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