気まぐれに思いついたSSのせてみるページ

あったかも知れない世界3
優一との約束であるサッカーを京介と続けて、地元のジュニアチームでプレイし雷門中でサッカー部に入りと数年たった頃。
俺は中学3年で、京介は小学5年になった。
「サッカー留学のお話を頂いたのよ!優司と京介が」
ジュニアサッカーチームの監督が俺達に留学の話を持ちかけてくれたのだ。
優一の怪我の事も知っていて、少しなら留学費の工面もしてくれるだなんて言い出していた。
「留学のお話はとても嬉しいことだし、二人とも行かせてあげたいわ」
「でも、家には優一の事もある。工面をしてもらっても出せる金があるかどうか…」
両親がそんな話をしているのを俺達は偶然聞いてしまったのだ。
俺達は両親が共働きで優一の病院代を稼いでいるのを知っているから留学の話は断ったし、両親に話すつもりもなかった。
けれど監督が俺達を通さず母さんにでも話したのだろう。
留学云々で揉めている両親を見たくなかった。
「父さん、母さん。俺達留学しないよ」
京介を後ろに連れ俺は両親に言い放った。
「!優司!」
「父さんも母さんも優一の病院代稼ぐので大変なのに、俺達にお金かけてたら大変だろ?」
「優司…」
「そうだよ俺達のこと気にしないで優一兄さんの事早く治してあげて」
「京介…」
両親は泣きながらごめんなさいごめんなさいと俺達に謝っていた。
留学出来ればプロになる道が広がるし、そうしたら年俸で優一の治療費も両親にも親孝行してやれるかもなんて考えてもみたけれども。
俺は京介と一緒にサッカーしながら優一を待つのは優一がいるここが良いんだ。
そのなかでプロになれたならそれはそれで良いかなとか。
「京介!今日部活がないから久しぶりにジュニアの練習行くんだ。それ終わったら河川敷で練習するけどお前もやるか?」
「やるに決まってるだろ!優司兄さんばかり上手くなるとか許さないからな」
「…言うようになったな京介」
「一緒に強くなるって優一兄さんに言ってたくせに」
「きいてたんか!!!」

こうしてサッカーボールを抱えて今日も京介とサッカーができることに感謝して、俺は家を出た。
少しでも優一との絆を手放さないために。

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優司さんは留学しないかなって思ったり。
仮に優司さんに留学を譲っても京介も優一さんと約束してるからジャパンジュニアチームでサッカーしてくれると思うんだ。




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