恋と自覚したが最後
「あ、おはよーヒロト!」
朝目が覚めて、自分に割り当てられた合宿所の部屋からなんとなく廊下に顔を出した瞬間。
そう自分の名前を呼ばれた瞬間にどくりと跳ねる鼓動。
何度も何度も、それこそ毎日名前を呼ばれる度に跳ねる心臓。
「お、はよう、円堂くん」
平然を装いつつもどくんどくんと煩い心臓の音が円堂くんに聞こえないか心配で仕方がない。
挨拶を返されて満足げな彼はぴょこぴょこと他の人のところにまたその元気な声を響かせるために駆けていった。
完全に彼の姿が見えなくなってから、俺は心臓のある位置に手を置いた。
どくんどくんといまだに早く強く心臓が俺の胸で跳び跳ねている。
痛いくらいに跳ねるものだから、実際に跳ねるたびに痛みを感じているのだから、きっといつか自分の心臓に殺されるのだと思ってさえいる。
出会った頃から、もしかしたら出会ったその瞬間から、気がついたら彼に会うときだけ俺の心臓は煩く跳ねるようになっていた。
最初は敵同士、敵のキャプテンだから警戒して緊張しているからだと思ったけど、会うたびに見つける彼の強さも弱さも、彼の全部に魅了されていて。
それと同じくらいに跳ねる心臓の痛みも速さも強くなっていって。
あぁ、これが恋かと、自覚してしまったが最後。
(いつか君への愛で俺が殺されても、俺はきっと君を愛せた事を幸せに思いながら死んで逝けると思うんだ)
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ヒロト→→→→→→円堂でヒロト片思いな感じ。
こういうもどかしいのが一番楽しくて好き。