気まぐれに思いついたSSのせてみるページ

出遅れた言葉
※剣城兄弟と天馬ちゃんが幼馴染み設定
※天馬ちゃん産まれたときから女の子


松風天馬が隣に越してきたのは小学校の低学年位だったと思う。
親元を離れて親戚の家に厄介になるということでその親戚と挨拶にきたことは今でも鮮明に覚えている。
ミルクティー色の少し癖のある、肩下まで伸ばしたふわふわの髪。
白いワンピースによく映える少し日に焼けた肌。
深い海の底みたいになんでも見透かしてしまいそうなグレーブルーの瞳。
全部が心を捕らえて離さなかった。
人見知りだったこともあったが、天馬に見つめられると恥ずかしくて最初は兄の後ろに隠れてのぞき見ていた。
きっとあれが一目惚れって感覚なんだと今なら思う。

小学校ではクラス替えがあっても必ず同じクラスだったし、隣の席にもなった。
女子のくせにサッカーが好きな天馬は女子たちの誘いには目もくれず男子とサッカーをやるようなお転婆だった。
そのわりに女子から嫌われなかった天馬は、やっぱり人懐っこい性格からなのか。
男女共に人気になった天馬の隣には必ず俺がいた。
隣の家のよしみで仲良くなっていった俺と天馬は休み時間も放課後もサッカーができる暇さえあれば日が暮れて泥だらけになるまで飽きずにサッカーをしていた。

小さい頃は、それでよかったのに。

中学に上がる頃には自分の中の天馬への思いを自覚してしまっていた。
気がつけば視界に天馬がいた。
気がつけば天馬を目で追った。
天馬が気がついて目が合えば笑いながら「きょーちゃん」と天馬しか呼ばない愛称で呼んでくれる。
そのたびに心臓がサッカーしてる時ぐらいに騒がしくなって、目が合わせられなくなった。

気恥ずかしくてしょうがなくなって、天馬と二人きりにならないよう努めてしまった。

天馬は俺の事など友達か幼馴染みか、どちらにせよ恋愛感情で見ていないことは接し方が幼い頃と変わらないことから察していた。
俺もそのままがいい、このままでいい、と二人きりにならないようにしながらこの意気地無しの恋心を無視したまま、変わらず天馬に接していた。

休日の午前のみの部活を終わらせ、午後半休の日の事だった。
「きょーちゃん午後から買い物に付き合ってくれない?」
上目遣いで控え目な天馬のお願いに理性が死ぬかと思った。
「今日秋姉がいない日でお夕飯俺が作るんだけどその買い物の前に少し洋服見たいなって。葵とか誘ったんだけど用事があるからって断られちゃったからきょーちゃんが良かったら一緒に行ってくれないかな?」
俺は誘われた事





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