「今更、そんなこと気づいてもなあ」 今更、君が好きだなんて気がついたところで。 今更、こんな感情、持ってたなんてわかったところで。 今更、こんなにどきどきしたところで。 いままで、ついさっきまで、ただの幼馴染だと思ってた彼にどんな態度でいろというのだろうか。 ついさっきまでの態度でいればいい?無茶を言ってはいけない。 そもそも、さっきまでどんな態度で居たかすら、思い出せないくらいなのに。 きっかけは些細だった。友達から、あんたこれくらい読みなさいな、と言われ手渡された恋愛小説を読んでいただけなのだ。ただ、それだけなのに。 ふ、と自分はどうなんだろうと考えてみたのが間違いだった。 友達は今更気づいたの、とでもいうような視線を送るし。 「・・・バカだ、私は正真正銘のバカだ」 「そうだね、バカだね」 「どうすればいいの、これから」 「今までどおり・・・がわかんないのよね、あんた今」 相手はあの赤司征十郎だしねえ、そんな呟きの後に、世話が焼ける、という単語が聞こえたような気がするが、気のせいだと思いたい。 ふう、そんなため息のあと、こちらに振り返って彼女は言った。 「うん、今までどおりやんなさいな」 「なるほど、わからん」 「辞書いる?」 「言葉の意味はわかる。文章の意味はわからん」 「あ、ほら、お迎えが来ましたよ。恋する乙女」 振り返ってみれば、赤い髪の、オッドアイ。今までのお話の中心の赤司征十郎君。 ああ、心臓がうるさい。今までこんな気持ちになったことはない。 「おい、帰るぞ」 「ほ、ほい」 ++++ 「・・・なまえ」 「は、はいなんでしょ」 「挙動不審すぎるだろう」 「な、何のことか、」 そういえば、ふう、とため息をつかれる。あ、本日2回目。 ああ、もうおかしすぎる。心臓は壊れたのだろうか。 さっきから鼓動が速い。ドクドクしてる。 ちょっと苦しいかもしれない。けど、なんだか、なんとなく。 「幸せ、かもしれない」 「なんだ急に」 「い、やなんでもない」 好きだ、って思える人と一緒に居れて。 そんな人と、隣に居れて。 たくさん話せて。 そして何より、こんなに近くで笑い合えるんだ、これってきっと幸せなんだろうな。 今更、もしくはやっと (僕も幸せかもね) (何か言った?) (いや、別に) +++++++ 後書きというか激しく反省というか 真樹さまへ捧げさせていただきます! 遅くなって申し訳ありませんでした・・・そしてこの、赤司の出番の少なさ・・・ これでも赤司夢だと言い張る図太さ・・・ 申し訳ありませんでした(スライディング土下座) 真樹様、気に入らなければ書き直しさせていただきますのでなんなりと! そして真樹さまのみお持ち帰り可能です。 |