止まる





・・・落ち込んで、落ちて落ちて、立ち直れなくなったら、どうすればいいのだろう。


止まってしまえばいいと、言った。

、誰が?誰かが。
誰か?いや、何か。姿は、見えなかった。声だけ。


・・・じゃあ、止まったら、どうすればいいのだろう。

するとまた、その何かが、また声を上げたような気がした。
地を、這うような声だった。


止まっていれば、私が救ってあげよう。


そんなことを、いわれたような気がした。気のせいかもしれないが、それでもいい。
救ってもらえなくてもいい。誰か、楽にして。


「、どうして、私は一人になったの。ねえ、はやい、はやい、よ、お母さん、お、父さ、どうして、」


私は、一人なの。どうして、事故になんか。なんで、私は、そこに、いな、かったんだろう。
そこにいれば、一人になんか、ならなくてすんだのに。

そうして、私は止まる、止まろうとする。もう、進めないよ、前になんか。


、止まっちゃ、だめだ。


ふいにそんな声が聞こえたような、気がした。
目を開けてみれば、何かではなかった。
誰かだった。姿が見えた。・・・優しい、声だった。



「、な、つめくん・・・?」
「みょうじ、止まっちゃ、だめだ。ひとりで止まったりしちゃ、だめだよ」
「ど、うして。こんな、ところに」



ここは、森の深くのはず。
無我夢中で駆け出してきたから相当深いはずだ。

それなのに、どうして、彼はここにいるんだろう。

そんな風に考えていれば、夏目くんがぽふりと手を頭に置いた


「探してたんだ、いなくなったっていうから」
「・・・ねえ。じゃあ、どう、すればいいの」
「え?」
「止まっちゃ、いけないなら、どうすればいいの、」
「・・・そうだな、泣けばいい」


くしゃり、少し手を動かされた。
・・・あったかい。

何故だか目の前がにじんで、ぼやけて、頬に何か伝うのがわかる。
涙、だろう。ああ、そういえば泣いたっけ、私?


「・・・なっ、つめ、くん、」
「誰かと一緒に、めいっぱい泣いて、進んでいけば、いいんじゃないかな」


俺も、よくわからないけど、そうつけたして、夏目くんが笑った。


ひとりは、辛いけど、私は、ひとりじゃないのかもしれないなあ、なんて。


少し遠くでさっきの声が悲鳴を上げた気がした。



止まる
(止まって、落ち込んでたって、)
(いいこと、ないのかもしれない)



+++++



後に書くから後書き

初夏目夢☆
・・・・・・・・すいませんっした、反省はしている、後悔はしてない、です。
でもでも、本当にすべての夏目ファン、及びこの夢読んでしまったなまえさま、本当にすいませんでした(スライディング土下座
名前変換すっくな、あわわわ、どうしよう
ちなみに声の主は声だけ聞かせられる妖怪、悲鳴の原因はニャンコ先生。




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