novel


▼ 05+


「どうして、」


私、頑張ったよ、これまでにないほど、頑張った。
なのに、なんで、どうして。

そう考える私の目の前にはいつもより、少しいい点数のテスト達。
自分で言うのも何だが、いつもが結構いい点数なので、いつもより少しいいっていうのは、うん、クラスで1番、学年でも3位になったくらいな点数はある。

快挙である、はずだ。
けどそこには私が素直に喜べない理由があった。

それはなにか。
・・・・・・ここにある、古典と現代文のテスト、二枚である。
なんてことはない、ただのテスト。少しだけ、他のテストより、数段悪いだけなのだ。
いつもなら、いつものことだと笑って、この結果を喜ぶだろう。


「・・・テツちゃん」
「はい」
「ごめんなさい」
「予想してました。というかだろうと思いました」
「・・・・・・・ほんっとすいまっせん。せっかく教えてもらったのに、こんな、こんな・・・」
「・・・わかってて教えたんだからいいです、よ。まあちょっと期待はしてたんですけど」
「期待に答えないのがこの私、凛なのさ!」
「・・・」
「ごめんなさい、調子に乗りました」

じとり、そんな目で見られた。それにしてもなんでだろう。ラスト3日前ぐらいから文法しかやってないのに。
どうして他の教科はこんなに点が取れたんだろう。

「今回ひねくれた問題多かったらしいですからね。凛さんの得意分野だったんでしょう」
「ほうなるほど、ってどういうことだそれ」
「おかげでボクもなかなか点取れましたよ」
「それはなに、私の教え方もひねくれてるってか」


はい、と笑うテツちゃんを一発殴ろうかと思って、やっぱりやめた。
私の何かが何かの電波を受信した。危険な、いやな予感がした。

「・・・テツちゃん」
「なんですか」
「逃げるわ」
「・・・そうですね」
「じゃ、ばいちゃー」

そういうが早いか、タイミングを見計らって、教室の後ろのほうのドアから飛び出す。
多分、それと同時に前のほうのドアから赤司くんが入って来ているはずだ。
我ながらすごいと思う。危機察知能力っていうの?防衛本能?まあともかく本能でわかったんだから。

逃げないと、捕まる。捕まると、負けが決まる。はい、罰ゲーム。
そんな展開はあまりよろしくない。負けるのは嫌いなんだ。卑怯?何とでもいえばいい!

とにかく全速力ダッシュ。


鬼ごっこ、開始
(テツヤ。凛は?)
(・・・さあ)
(逃げたんだな。逃げられたら追わないとね)
((凛さん、ご愁傷様です))


++++
後に書いちゃったから後書き

逃げましたね、はい。Qどうしてこうなったんですか?Aまだ調査中です
見たいな感じですわけわかんないです。ともあれ、ありがとうございました!


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