novel


▼ 01+




「変人?」
「おう、なーんか掴みどころがなくてに頭がよくて、その上顔は整ってる、っていうやつがいるんだと」
「へー。大輝、よく知ってるね。まぁ、僕も知ってたけど。いつも屋上でサボってる子でしょ?」
「なんだ、知ってんのか」


目の前にいる、青峰大輝はさぞつまらなそうに唇を尖らせる。
・・・変人ねぇ・・・。どこにでも居そうだけど。


「知ってるも何も、僕は生徒会長だよ。それぐらい知ってなくてどうする」


でも、少しだけ興味があるから、会いに行ってみようか。



+++++


「あー、暑い」
「君は紫外線とか、気にしないタイプなの?」
「んー、気にしてなんになるの」
「日焼けとか、しみとか。女の子は気にするでしょう」
「あいにくどーでもいい感じなんでね。まあ、日焼け止めは塗ってるけど」


本日、晴天なり。本格的な夏はまだ先のクセして、真夏日みたい。
真夏日って何で真夏日っていうんだろ。あとで覚えてたらググろう。
あ、誰としゃべってるんだろう。ふとそう思って、体をぐっと起こしてみる。


「おや、生徒会長様じゃあねーか」
「へぇ、僕のこと知ってるの」
「そりゃまぁ、有名人でしょーに」

行事はちゃんと出てるしね、そう言えばなんとなく納得したような顔で、生徒会長様はうなずいた。
選挙かなんかで圧倒的な支持率を集めた人じゃなかったっけね、確か。


「ふぅん。ちなみに、誰に入れたの?」
「さぶちゃん」
「・・・・誰?」
「新城三郎くん。全く可哀相に」


まあ、この人と相手じゃ負けちゃうだろうね。大健闘、ってわけじゃなかったけど、私は応援してたよ。


「友達なの」
「いや、話したことすらないけど」
「は?」


特に関わりがあったわけでもない。
クラスが一緒だったとか、ましてや中学が一緒だったわけでもない。
生徒会長さんがは?ってなるのもだいたいわかる。
友達じゃなく、さらに話したことすらないのにいきなりあだ名を付けたからだろう。


「うん、だから、」
「もういい、わかったから」
「そーか?」


頭をかかえるようにして眉間にしわをよせる。
あ、赤い髪、きれいだな


「全く、変なやつ」
「あーうん。よく言われるわ。でもさあ、君も十分変だよ、赤司征十郎くん」
「君ほどじゃあないよ」
「そうか?自然体なんだけどな」


自然に生きて、自然に暮らしてきた。
まあ、自然体が人から見たら変なんだろう。
・・・だからかどうかはしらないけど、周りにはわりと人が多いほうだと思う。

というか、ここでひとつ、疑問が生じるわけなんだが。


「・・・赤司君は、どうしてここに居るのさ?」
「うん?君に会いに来たんだよ、相月凛さん」
「あーなるほどねー」
「理由は聞かないんだね、」
「言いたきゃ言えばいいし言いたくなきゃ、言わなきゃいいし」
「別に聞きたくはないと」
「いや、聞きたいけど」


そういえば、至極面倒くさそうにこっちをみる。
なんなんだ。


「君、やっぱり変だ」
「何の話?」
「いや、どんな子かなって思ってきたんだけど、予想以上。面白いね」
「は?」
「それじゃ、ちゃんと授業でなよ」



そう言って去っていった、生徒会長・・・赤司くんの背中がなんだか上機嫌だったから、なんだか、いやな予感がした。


みっけ
(面白いもの、みっけた)
(うわー、風邪かこりゃ)


+++++

ちょ、赤司お前誰だよ、っていうことでね、はじめさせていただきました、この連載。
赤司は随時キャラ崩壊です。





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