占い





「赤司君赤司君」


嬉々として話しかければ、少々面倒くさそうに、振り向いた。
めげませんよ、今日の私は一味違いますからね。


「・・・なんだい?」
「今日の占い、私1位だったんですよ」
「・・・よかったね、で?」
「で、そこには“今日の運勢は最高!好きな人にはアタックすべし!”って」


私の星座はなかなか1位にならなくて(たまにしかみないからだろうけど)今日たまたま観たら1位だったもんだから嬉しくて。テンションがおかしくなっちゃって、赤司君に話しかけたわけで。


「ふうん、だから?」
「うん、だからアタックしようと思うんです」
「いいんじゃない?すれば?」
「・・・赤司君て、いじわるですよね」
「そうだね」


私の好きな人なんか、とうに知っているだろうに。眉を少し寄せれば、反して赤司君の口角はあがる。


「わかってるくせに」
「なんのことだかわからないな」
「・・・赤司君のちーび」
「うるさいな。まわりがでかすぎるんだ」


まあね、周りが言うほど小さくはないですよね。私よりおっきいし。
少し、見上げなきゃいけないしね。


「・・・それじゃ、本当に行きますからね?どっかに」
「はいはい、がんばってね。どこに行くか知らないけど」
「・・・黒子君てかわいいですよね」
「うん、そうだね」


本当は、引き止めて欲しくて。きっと赤司君はそれすらも知ってるんだろう。
けど、別に私たちはこ、恋人なんかじゃあるまいし、こんなのはただの面倒くさい、私の願望にすぎなくて。

ああもう、恋愛って面倒くさい!


「赤司君のかーば」
「はいはい、素直になればいいのに」
「・・・わかりました、いってきます」
「・・・うん」


赤司君、じゃなくて私のかーばっていうかばーか
わかってる、どうしようもないんだ、恋愛なんて。
他の人のとこいこうと思っても、結局行き着く先は彼のところだし。

しばらくふらふら歩いてても、結局、彼の背中を発見してしまう。


「・・・ああもう!」


ガバッ

「・・・なまえ?」
「・・・・・・赤司君」
「戻ってきたの」
「来ました。宣言どおり、好きな人のところへ」


なるようになれ。これは私の座右の銘でもあるんだけど。
いや嘘。そんなもの、今決めたんだけども。

恋愛なんて結局、そんなもの。


「赤司君。好きです」
「知ってるよ」
「大好きなんです」
「うん。知ってる。僕は愛してるけどね」
「やっぱり、そうですよね・・・え?あ、れ?」
「だから言ったじゃないか。素直になれってね」


そういって少し笑うと、彼はふわりと頬に唇を落とした。


占い
(・・・あのバカップルは今更くっついたんスか)
(みたいですね。やれやれ)


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