長いおやすみ





「…赤司くん、赤司くん!」
「………何。後君付けやめろ気色悪い」
「ひどいな、じゃあ何、征君とでも呼ぼうか?」
「やめろといってるだろ、で、用件」



ちなみに普段の呼び方は赤司、である。
まぁそんなことはどうでもいい。

今は夏だ。8月。下旬。夏休み。
これだけ言うともう一つ付け加えなければいけない。
暑い…じゃなくて。なんだっけな。そうそう、夏休みの課題、である。

夏休みの課題というのは大変よく出来ていて(憎らしいくらいに)こつこつやって、しっかりクリアーできる、そういったものなのだ(と担任は言っていた)。


「冷たいな、反応がー」
「だって大体わかってるからね。何が言いたいか」
「おう、じゃあ話が早いねえ」
「ああ、そうだな」
「課題手伝って?」


そう、夏休みも後半戦に入って大分たったこの時点で、何の課題もやっちゃいない、それが私だ!
と、ぶっちゃけ開き直りたい。
なんで毎年毎年おんなじ過ちを繰り返すのよもう…
去年もそうだった、赤司に頼み込んで頼み込んで大きな犠牲を払って手伝ってもらった。
おととしも、その前もそうだった気がする。


「やだね。今年は自力でやりなよいい加減…」
「…………」
「何くれても無駄だ」
「ぐ……読まれてた…だと…」


…黄瀬は終わってないだろうし、緑間…はだめだな、えんぴつくれるだけだ(実証済み)。
黒子はそういうときだけ見つからないし、紫原も自分でいっぱいいっぱいだし。
……………青峰?論外。

ちなみに、赤司は毎年7月以内に終わらせてやがる。


「…はぁ。わかった。じゃあこうしようか」
「うん?」
「もしなまえが自力でちゃんと終わらせられたらご褒美をあげよう」
「…それ、いいもの?」
「いいものだ」
「…わかった」


そうして私は、結局課題に追われることになったのでした。
なんていうか、丸め込まれたよね、上手いこと逃げられた感じですね。


ながいおやすみ
(ね、見てみて赤司。ちゃんと終わった!)
(すごいぎりぎりだな、)



+++++


後書き
久々に書いた結果、やっぱりだめになってますねえ…;
ちなみにご褒美というのはご想像にお任せしますー



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