強い雨が欲しい




「あーあ、」

また空は青い。青すぎる。広い。広すぎる。
くもりになって、雨でも降っちゃえばいいのに。
そうすれば、少し、狭くなるのに。

屋上で、寝転びながらそんなことを考えた。
梅雨が明けてしまって。すっかり暑くなってきた。
晴れは嫌いだ。自分がひとりなんだと錯覚してしまうから。
広すぎる、なんで、こんなに広いのか。

「はーあ・・・」
「大きなため息ですね、」

ひとりじゃなかった。でも相変わらず空は広い。
あー、私はなんてちっぽけなんだろう。

「晴れ、嫌いなんですか?」
「嫌い、嫌い、大嫌い」
「そうなんですか」

ぱふり、音がした。きっと彼、黒子テツヤが隣に座ったんだろう。
影が薄いとかなんとか言われているが私的には見つけやすいぞ。意外と。

「どうして嫌いなんですか?」
「嫌いだから」
「・・・・具体的にお願いします」
「・・・・・・・寂しくなるから」

そういったら、黒子が横で?を浮かべてるような気がした。
きっと、それなら雨とかの方が・・・とでも言うんだろう。

「・・・そうですか」
「・・・ねえ黒子。私は代わり?誰かの、代わりなの?」
「え?」
「なーんてな」
「そんなこと、ないと思いますけど」

その場を取り繕うために言ったのだろうか。それとも本心から?
さあ、どっちだろう。
というか、私、最低。なにこんなところでこんな雰囲気というか空気ぶち壊すようなこと言ってんの。
ああもう!

「ははっ、ごめんね、変なこといって!忘れて忘れて!」
「忘れませんよ」
「・・・うん?」
「はじめて、弱さを見た気がします」

なまえさんの。そういって笑う黒子がなぜだかうれしそうで。
晴れから来てたイライラが吹っ飛んだ。

「・・・忘れてほしいなー?」
「だめです。そんな風にお願いしても無駄ですし、似合ってませんよ」
「ひどいな」
「そんなことないです。あ、」

大丈夫です、君は代わりになんてなれません。


強い雨が欲しい
(とは思ったものの、)
(別にいいかもしれない、晴れで)

題名:反転コンタクト様
thanks!

+++++

これ、最初は赤司で書く予定だったんです。
どうしたんでしょう、なぜ、こうなったんですか?(聞くな
でも黒子でかけて結局は満足です


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