ああ、苦しいなぁ、息が、詰まりそうだ。…いいや、もう、息が出来ないくらい。
どうしてこんなに苦しいのか、すべて、あいつのせいだ。
あいつの全く関係のないカフェで、紅茶を楽しんでいるときだって、もう苦しくてたまらない。
大きく息を吸って、吐こうとするけど、詰まって、息が詰まって、うまく呼吸が出来ない。
癪だ、こんなに考えたいわけじゃ、ないのに。
大好きな紅茶をゆっくり飲んで、リラックスしたいのに、纏わりついて、離れない。
悔しい、あいつは、そんな風になっていないのだから。…当たり前だ、あいつは、
「…苦しい。どうしよう、苦しい」
「どうしたの?」」
「…やあ、うざや。どうしよう、私…死ぬかもしれない」
主に、お前のせいで。
…とはいえなかったけれど。苦しい、本当に、苦しい。
…そんなこいつは、私に断りもなく同じ席に座りやがった。
…どうしてこんなに苦しいのか。それは単純明快である。
好きだからだ、私が、癪ではあるが、こいつを。…大好きで、たまらないからである。新宿の情報屋、折原臨也を。
「…で?死ぬんだって?」
「そう、馬鹿げたことに、私が死ぬかもしれない」
「それはまた。どうしたのー?君らしくないじゃないか」
「そうかもなぁ」
「ま、だったら死ねば?」
…ほら、どうでもいいんだ、こいつにとって私は。数ある人間の、一人でしかない。
伝わらないんだ、言葉に出せないから、言葉にしてもしょうがないことだから。
こいつは人間を愛しているから。誰にだって、誰もを、平等に愛しているから。
…詰まる息に気付かないふりをして、紅茶を一口。
…ただ、さっきのように私に向かって言う、死ねば?には、他の人と違うそれが歩きがする。
それは、自惚れだとか、そんなぬるいもんじゃなく。
「愛が、ないよなぁ」
「え?」
「…ん?いや、こっちの話」
「で?明確に死ぬかもしれない、理由は?」
「……さぁ?お前には言わない」
カチャリ、臨也が頼んだであろう、コーヒーが運ばれてきた。
ブラックコーヒーは好んで飲みたくない。匂いは好きだけれど。
…ああ、ほんの少し、ほんの少しで良いから、私にも目を向けてくれたなら。
他の人ばかり、みていないで。携帯ばかり、パソコンばかり、見てないで。
ほんの少しでいいから、こっちを見て、名前を呼んで、くれた、ら
「(少しは、呼吸が楽になるだろうか。)」
きっと私ばかりがこんな風に大好きでたまらないのだろう、伝えられすらしない、苦しさ。
言葉にしても膨れ上がって、息をさせてくれない。
酸素欠乏症
((……、苦しい、窒息、する))
((…もう少し、ねえ?なまえ。もう少し俺の事ばかり考えて))
++++++
最後意味深な感じにしたくて、失敗してますね。
実は、機会があったら続かせたいと思ってます。