「ねぇ結人」
私が声をかけると、ん?と今まで枕に埋めていた顔をあげ、こちらを見上げてきた
あ、また、寝癖ついてる
20歳をとっくに過ぎているというのに、子供っぽいところは相変わらずで、色んな方向にはねた髪、上目遣いで見上げてくる顔が、女の私が嫉妬しちゃうくらいに可愛い
まあもちろん男らしいところもたくさんあるんだけど(あんまり褒めると本人が調子に乗るから言ってあげない)
彼の引き締まった体に自分の体をくっつけて、
彼が生きてる音を聞く
「名前、どしたの?」
あー…、居心地いいなあー…、このまま寝ちゃいたい
いや、今なら寝れそう
うん、よし、寝る、か…
「っておいおいおい!!」
「結人うるさい…」
「いや、お前が声かけてきたんだろ」
「(ああそうだった)」
「てんめっ」
ちょっとふざけてたら、結人の手がわきにはいってくる
…私が弱いの知ってるくせにね
それに今の格好が格好だから、早くやめてもらいたいんだけど
ていうか、これって、布団の中ですることじゃないでしょ…
「ちょ、結、人!!ギブ!!ぎぶ!!」
「よし、止めてやろう。その代わり、ちゃんと言いかけたこと言えよ?」
はいはいわかりましたよ!!
きっと涙目になってるであろう目で彼に伝える
ちらり
ベッドの傍の時計に目をやる
あと、30秒
「ねぇ、結人」
「うん?」
「いつも私と一緒にいてくれて、ありがとね」
彼の首に手を回し耳元に囁くように言葉を紡ぐ
「結人の隣を、私の居場所にしてくれて、ありがと」
本当にあなたが愛しい
その気持ちを、言葉の一つ一つに込めて、あなたに伝えるよ
あと、5秒
「結人」
3
2
1
「Happy Birthday
生まれてきてくれてありがとう
結人のことを、今も未来も愛してるよ」
そう言って
満面の笑顔を浮かべる君に口づけた
愛のうたはいつの世界も
(俺も愛してるよ、名前)
Happy Birthday Yuto.W!!
(090605)
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