強制退学、解雇処分になって一週間。

生徒のモチベーションも元に戻り(寧ろ上がり)、教員にも悪=無職が改めて認知され、これまで以上の平和が学園に訪れている。

ここらでもう一つ、残された重要なお仕事といきますか。


04 平和な日常


「んで、会長様よ。いつになったら新生徒会設立するの?」

昼休み。裏生徒会室で相変わらず生徒会の業務を手伝っていた俺とおまけの腐男子。

あれから一週間経ったが、新生徒会は未だ決まっていない。
つまり、ずっと手伝っている状態である。

俺、そろそろ平凡な一般生徒に戻りたいんですけど。

「悪い。バカ達の一家と色々あってな、そこまでいけなかったんだよ」

あの日、全員が強制送還されたが、金銭のことで一悶着あったらしく。
未成年の子供の悪事を親が尻拭いするのは仕方ないんだけどさ、額が額だからそうなるのも無理ないよなー。

「学園長の許可がなかなかおりなかったんだ、仕方ないだろう」

というのも、今回より生徒会役員は立候補制でも推薦でもなく、現生徒会及び裏生徒会による指名制に変更したのだ。

現生徒会が選んだ生徒を裏生徒会が会長経由で判断し、それで良ければ学園長の許可を頂く。

生徒会とは、本来責任のある仕事である。その生徒会が選出する次期役員となれば、お互い責任も生まれてくるだろうということだ。

今回の一件で、本人がなりたいだけでは駄目だと実証されたから尚更。

「てことは、許可がおりた? 遂におりた?」

勿論、俺は会長の選んだ次期役員を知っているし、OKも出した。
将来を託すには、いいメンツばかりだった。

「あぁ、全員許可がおりた」

よ し き た ! や り ま し た !!

「ほんとー?? いつ発表するんですかぁー?」

腐男子が会長へ問う。
次期生徒会役員を選出する際、彼にはどういう人間で生活態度はどうなのかリサーチしてもらっている。

「明日だ。明日、全校集会を朝一で行う」

会長の予定では、朝のホームルーム後、朝のフリータイムを使い全校集会を開催。

その後、次期役員には通常通り授業を受けてもらい、放課後召集し説明するそうだ。

因みに、裏生徒会もこのタイミングで引き継ごうと思っている。

「じゃあ今日でここに来るのも最後ってことだー」
「やっと平凡学生に戻れるな。ここまでの貸しは高いぜ、会長」

裏生徒会が生徒会をここまでフォローしたのは過去今までになかったから、ある意味伝説の生徒会役員だったよ。ザ・汚名。

「今まで悪かったな。あと一日頼んだ」

あと一日頑張りますか。



  *************



翌日。朝から予定通り全校集会が行われた。

会長の口から次期生徒会役員の選出が発表されたときは会場がどよめいたが、選出理由、役員が公表されたときはその学年から拍手が鳴り響いた。

二年生からは、次期生徒会長、副会長、書記、会計が一名ずつ。
一年生からは、会長補佐、副会長、書記、会計が一名ずつ。

ちなみに、今年から会長補佐という役員を新たに選出。現在の一年生の中で、将来生徒会長として良いだろうという生徒を選ぶことになっている。

一年間、生徒会長と共に業務を行い、問題がなければそのまま次期生徒会長へ就任、駄目ならそれまでというシステムだ。

一年生は大体二年連続で役員になることを想定している。

発表時に拍手が鳴ったということは、その学年の生徒は認めるということだ。
拍手のない役員は一人もいなかったから、問題なさそう。

「大きな反論もないと判断し、次期生徒会役員は彼らとする。
 先程名を呼ばれた八名は、本日放課後生徒会室まで来るように」

会長からの指名および、指示があり本日の集会は無事に終了。

これ以降、引き継ぎは会長の仕事であり、俺の仕事はとりあえず終了。


つまり、平凡に戻れまーす。やったぜ!!



(取り戻されし、平穏。この生徒会なら今後問題もないだろう)
(一段落ってことだね! いや〜、やっとBL妄想に戻れーるー!!)

(本当にそれ、もったいないよな)





20170908





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