知っていても知らなくても困らない。 けれどまぁ、一応、説明しておく? 俺と生徒会長様、腐男子の関係。 02 紹介という名の休題 俺と会長様。簡潔に言うならば、幼馴染み。以上。 それ以上、それ以下でもないが、まぁもう少し詳しく言うと、 「光と影ってとこだよな」 「は?」 現在、裏生徒会室。いつものごとく、生徒会の仕事に勤しんでいますとも。 そして、俺の呟きに反応したのは、言わずもがな生徒会長様その人である。 「俺が影なら、あんたは光だろって」 「まぁ、裏と表だからな」 この学校での立場もそうだが、リアルでも会長の実家は表舞台で活躍し、俺の実家はそれを影で支える仕事である。 支えると言ってもプラスなことだけではない。 不正事項を暴いたり、処罰したりと会社や社会にとってマイナス、不利益になることだって当然行う。 まさに、今の関係。 俺たちの仕事は、会長一家に関わる全てのことを真っ当な道へ正すこと、その手伝いをすること。ただそれだけである。 と言うわけで、会長が生徒会長になると同時に、俺も裏生徒会長へ任命されたわけである(これはごく一部の関係者以外知らないことだが)。 ちなみに、腐男子。こいつは俺が当初から目をつけていた奴だ。 「あれは情報収集に長けている」 「どこから仕入れてくるんだろうな」 頼んでもいない情報を、次から次へと報告してくるそいつ(今は外の様子を見るために不在)。 入学した当初からその調子だったため、俺自身情報力に使えると判断して裏生徒会長任命時に、唯一そいつのみ補佐として指名。 当然本人に、指命の理由も伝えている。 歴代でも最低四人はいたらしいが、多いと邪魔だろ?だから、俺と腐男子で十分。 そもそも、裏が動くようなことは表はするなと俺はいいたい。 「でも実際に起きたからな」 「マジ、あいつらクソ過ぎるだろ」 会長の深い溜め息。わからなくもないが。 副会長以下のアホ共及び一部教員、一般生徒。あれのドコが良いのか相変わらず取り巻き状態で。 生徒会を応援していた生徒や、生活に支障を来す生徒からの反感が凄いのなんのって。 天下の生徒会長様については、当然俺と一緒に仕事をしている。つまり姿は見えない。 頭の良い生徒や賢い教員は、これがどう言うことか察している。 「だから、授業に出なくてもお咎めなしなんだよな」 「それはお前もだろうが」 担当教諭から渡された課題をせっせと提出し、単位は確保。 通常七人で行う生徒会の業務を二人で行っているため、授業の免除も暗黙の了解ってワケ。 そもそも授業に出たらあいつがうるさいからな。 クラスメートには、あいつが嫌だからってことにしている。 「ダブル会長さーん、戻りましたよー」 「「うるせぇ」」 ノック三回、その後開かれたドア。うっせぇわ、腐男子。 「えー、ひどいなーもう。せっかく様子見てきたのにー」 「下らないなら話すな。必要なことだけ話せ」 いじける腐男子に、指示する会長。俺もそれでいいと思う。 「あれなら相変わらずでしたー。ちなみに、これはあいつらがやらかしたリスト一覧でっす。あ、“今までに”じゃなくて、“今日だけ”ですからねー」 渡された一枚のA4用紙。そこには書いてある書いてある数々の始末書レベルの問題事が。 現場を見ていないから今まで対処できなかったことが、そこにすべて記されている。 「さばける僕は、証拠の動画もバッチリでーす」 「本当、完璧だわ」 さぁ、これでいよいよあいつらも処罰の時に。 これ以上、学園と俺の平和を崩させないぜ? (とりあえず、まとめて校長に相談だな) (僕の働きマジ優秀〜) (裏生徒会の本格始動だ) |