ついこの前の話。
ボスとスクアーロが連れてきたレスっぽいガキ。なんでも雲の候補とか言われてるらしいんだけど、ぶっちゃけ王子には関係ない話。
そこら辺の使用人に風呂とか身なりとかやってもらったらしいけど、興味のカケラも無い。綺麗になろうがなんだろうが、俺とは関わることもないそんなガキに興味など湧くはずも無い。

だがこうしてフラフラと談話室に来ると、嫌だろうがなんだろうが関わってしまうという、凡ミス。俺王子なのに。


「あらベルちゃん!良かったら一緒におやつ食べる?」


「おいしーですよー。オカマセンパイの変な想いが篭ったドーナツー。」


「ちょっと!ボスへの想いが篭ったドーナツよ!変とか言わないでちょうだい!」


…あぁ、こいつらまじうっせ。つーかおやつってなんだよ。今十一時だろ。おやつってより昼飯作れよ。なんなんだこのオカマ。あとカエル。
んでその間で黙ってドーナツ食ってるガキ。


「ベルセンパイがなまえのこと睨んでますー。マジこわーい。」


「しししっ三回死ぬか?」


「人は一度しか死ねませーん。」


「……サボテン決定。」


「やめなさいアンタ達!」


俺がナイフを取り出すと、甲高い声が響いた。マジこの声不快。つーかマジギレ?


「なまえが怯えちゃってるわよ。この子の前で物騒なことしないでちょうだい。」


見れば、震えてオカマの腕にしがみついている。ナイフ見ただけでこれ?王子若干引いたんだけど。こんなのとこれからずっとやってくわけ?
あ゙ー無理。堪えらんねぇ。


「そいつ任務とか出来ねぇだろ。んな役立たずヴァリアーにいらねぇ。」


「ベルちゃん!」


「こんな時間からドーナツ食って、刃物見せたら怯えてるようなガキなんて、いらねぇんだよ。」


『……う…。』


「あぁもう、駄目じゃないのベルちゃん。こんな小さい子を泣かせて…。」


泣く。まさにガキだ。コイツは俺にストレスしか与えねぇ。見てるだけでここまで殺したくなってくるのは初めてだ。その手の才能はあるんじゃね?


『……っに…。』


「あ?」


『好きで、ここに…来たんじゃ、っい、もん…。』


……あぁ、なんかもう、すっげぇダルい。
本格的にボロボロと泣きだした目の前のガキは、反射的にオカマに抱き着いた。オカマは頭を撫でながらあやしているけど、抱き着いてきたのが嬉しかったのか、その顔は緩みまくっている。きめぇ。


「あーあ。泣かせちゃいましたねー。」


「だから?」


「きゃーべるせんぱいこっわーい。」


無表情で棒読みなクソガエルにナイフを5本刺して、俺は談話室を出た。後ろからナイフを折られる音や、変に甲高いガキをあやす声が聞こえて、俺は廊下に飾られている馬鹿でかい壺を思いっきり蹴飛ばした。


「ぬおぉ!!ベル、貴様ボスの大事な壺を割って許されるとでも…!!」


「だって俺王子だもん。」


どこからか湧いた変態には、割れた壺のカケラを投げておいた。
つーかコレ、ボスのお気に入りかよ……サイアク。


「…チッ。」









思わぬ揉め事






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ベルとなまえちゃんが出会って間もない話です。番外編Yahoo!!!!!←


温かく見守ってくだされば幸いです(*^ω^*)



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