『ボス、最近レヴィがストーカーに目覚めたっぽいの。』


「目覚めてねぇよ。元々カスが持ってた素質だ。それが開花しただけだろ。」


『さすがボス!私とは着目点が違うわ…!』


違う、違うのだなまえ。俺は元々そんな素質は持っていない。それよりもボス、俺は貴方のお言葉に涙が出そうです。マイナスな意味で。ボスのお言葉に、今まで間違いは無かったから……尚更に。

なぜ俺がこんなことをしているかと言うと、あの生意気なガキの「ム、そういえばもうすぐなまえの誕生日じゃなかったかい?」という何の変哲も無い一言を聞いてしまったからである。
あぁそうだ。聞いてしまったのだ。会話に入れなかっただけだ。聞こえてしまったのだ。不可抗力だ。怨むなら俺のこの万能な聴力を怨んでくれ。

おっと、そんなことはどうでも良い。話を戻すぞ。俺はその言葉を聞いた瞬間、なまえにプレゼントを渡そうと思い立ったのだ。だがしかし、俺はなまえの好みを知らないという根本的な欠点に気づいてしまったのだ。
そこで俺は雷撃隊を使ってなまえの好みを調べようとした。しかし、なまえはなかなか隙を見せなかった。ふむ、さすがはボスに気に入られた女だけのことはある。

部下が駄目ならば、この俺が直々に調べることにした。直接好みを聞くなど、プレゼントの中身がバレてしまう。邪道だ。俺はサプライズ派だからな。こういうのは気づかれんようにこっそり調べるものなのだ。フフッ、我ながら名案だ…フフフ…フハハハハ!!


『ねぇレヴィ。』


「ぬおっ!?なまえ、なぜここに!」


『なぜって…。この数日間、すっごい殺気送ってくるの、レヴィでしょ?』


「さ、殺気!?なぜ俺がなまえに殺気を送らねばならん!」


『知らないわよ!とりあえず、鬱陶しいから止めてよね。』


「なっ…!!」


鬱陶しい。確かになまえはそう言った。何と言うことだ。俺のサプライズプレゼント作戦は失敗したということになるのか?


『……レヴィ?』


いや、まだだ。まだ終わってなどいない。まだ何もバレていない。なぜ俺がこんなことをしているのかなど、なまえはわかりもしないだろう。


『おーい、レヴィー?』


なぜならばサプライズだからだ!何の情報もなまえには伝わってはいない!つまり今だに作戦は実行中なのだ。ここでなまえに好きなものや欲しいものを聞いてしまったら作戦は失敗に終わる。
だがまだチャンスはある。ここはボスの右腕として、何としてもこの作戦は成功させてみせるのだ!


『レヴィさーん…?』


「Buon Compleanno,なまえ!プレゼントを楽しみにしておくことだな!」


『…………え?』



しまったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!










終了の合図は十二の鐘の音


(俺はそんなつもりでっ……き、期待するのではないぞ!)






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レヴィさんがサプライズ派なんて、私の勝手な想像ですよ!

不器用でねちっこいレヴィさんが伝われば、それで満足です!



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