※トリップねた
※妄想200%







「ゔぉい、こいつの情報わかるかぁ?」


そう言いながら目の前に差し出されたのは、山本武の写真でした。



目が覚めたら、そこにはザンザスがいました。えぇそりゃあもう驚きましたよ。なにせ体はロープでグルグル巻きだし、金銀コンビは刃物チラつかせてるし、ザンザスの目力なんて漫画やアニメなんかとは比べものにはならないくらい怖かった。

そこでビビって何も言わなきゃあ良かったものの、思わず私は『ヴァリアーだ…』なんて呟いてしまったわけで。
聞き逃すはずが無いプロの皆々様は、私の一言で目の色を変えたのです。めっちゃわかりやすいほどに。


「…テメェどこのモンだ。情報屋か?」


ザンザスに聞かれて何か言い返そうと思ったのだけれど、昨日の夜からこの状況になるまでの記憶が無いので仕方が無い。
とりあえずここは、嘘で固めておくのが唯一の逃げ道だろう。


そこで私は、"自分は出会った相手のことがわかる"といういかにも無理矢理な設定の能力があると伝えた。初めは疑われたが、私がスクアーロやベルの名前や誕生日を言い当てると、それはそれは面白いぐらい驚いてくれた。

まぁ、ただ漫画読んでただけなんだけどね!キャラブックのおかげなんだけどね!


その能力が気に入ったらしいボスは、私のロープを解いてくれた。そして、あまり見たことが無いニヤリとした顔で、言った。


「テメェをここに置いといてやる。その変わり、俺達がテメェの能力を使う。」


『…はい。でも、全ての人間のことが解るとは限りません。この能力が発揮できるのは、一部の人間だけです。』


「かまわねぇよ。俺がいらねぇと判断した場合、テメェはそこで死ぬんだからな。」


『…わかりました。皆さんに協力します。』


「……名は、なんだ。」


『なまえです。…よろしくお願いしますね。』


もちろん偽名だ。





そして、冒頭に至るわけです。


『や…山本武…。並森中の生徒で、沢田綱吉の守護者ですね…。』


私がそう言えば、目の前のスクアーロは納得したように頷いた。やっぱりあいつは守護者の一人だったかぁとか、あいつは流派はあるのかぁとか、とても大きな独り言を呟いている。

にしてもこの写真、登校中の写真ではないか。思いっきり盗撮……というか、いつ、どうやって撮ったのだろう。


『(今のスクアーロの反応から見て、時間軸的にはvsヴァリアー編ってとこか…。)』


ということは、今私達がいるこの部屋は、並森のどこかにあるとされていた、ヴァリアーのアジトなのだろう。

もやもやと考えていると、ふと肩に重みを感じた。


「珍しく難しい顔をしているね。考え事かい?」


『マ、マーモンさん。』


「ゔお゙ぉい、何の用だ。お前もコイツの能力目当てかぁ?」


「まさか。僕には粘写があるからね。」


マーモンはスクアーロを鼻で笑うと、私の肩に座った。呆然とする私の頬をつまむ。


「君に隊服が届いたから知らせに来たんだ。感謝してよね、僕は今タダで動いてるんだから。」


スクアーロが珍しそうに見つめていると、マーモンはボスの命令だからと小さく呟いた。それが可愛くて思わず笑ってしまいそうになるのを誤魔化すかのように、私はありがとうございますと笑った。


「別に。それよりも、隊服を着るってことは命を狙われるのと一緒だからね。その辺、自覚しといて。」


『…はい。気をつけます。』


「俺達が傍にいる時は俺達が守ってやるが、それ以外は気をつけるんだなぁ。」


そもそも俺はガキの面倒なんかみたくねぇと付け足したスクアーロに、少しだけ胸が痛んだ。
スクアーロ達が私を守ってくれるのは、それがボスの命令だからである。私は、みんなにとって、ただ利用価値があるだけの人間なのだ。

自分で考えといて、少しだけ泣きそうになった。せっかくこの世界に来れたのいうのに、私は非力で、無力だ。


『……ありがとうございます。じゃあ、私は隊服を取りに行きますね。マーモンさん、案内していただけますか?』


「やだ。言ったでしょ、僕はタダじゃ動かないんだから。自分で探すんだね。」


『…そうでしたね。すみません。』


私はスクアーロとマーモンに頭を下げると、大きくて重たい扉を開けた。薄暗く、向こうが見えないほど長い廊下。なんだかこれから私が歩む道のように見えてきて、少しだけ苦笑いをしてしまった。











こんにちは、貴方達の世界






これは、この世界を変える少女の物語。




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無駄に長いしグダグダやな!気が向いたら続き書きます!
でも私は飽き性なので、続き書いても放置することが多いです!ダメな管理人ね!


こういうネタ好きなんです…。シリアス風で少しだけギャグ挟むような……。



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