『マーモンお金好きだよねぇ。』
頬杖をついてやる気もなく、同じ口調でただ言葉を発する。そんな私の目の前では、マーモンがパラパラとお金を数えていた。
「結局のところ、世の中頼るべきモノはお金だからね。」
マーモンはなまえの方を振り向くことなく、表情も変えず返答する。穏やかというよりも奇妙な空気が流れていた。
『マーモンってそのお金で何か買ってるの?』
「必要最低限の物とか、どうしようもない時は、使ってる。でもなるべくは使わない。」
『じゃあ任務の時の報酬は?』
「こういうのに使ってるよ。」
こういうの。そう言ってマーモンが指を指したのは、なまえの前に置かれているレモンティーだった。あぁと頭が理解できたが、それ以上考えたくなかったのでそれを一気に飲み干した。
『そのお金、いつか使うの?』
「そうだね…。」
マーモンはお札を弾く手を止めて、ムムと考え込んだ。ただなんとなくした質問に、マーモンがあんなに真剣に考えているというのが、嬉しい半面驚きもあった。顔には出さなかったけど。
返事を待つ間、肘が痛くなったので逆の手に変えることにした。すると「あ」とマーモンの小さな口が開く。
「なまえのためなら使ってもいいよ。」
ずるっと手から落ちそうになった。私のため、なら?それはどういう意味だろうか。私のためならって私以外の人には使わないってことで、それはつまり…。
働かなくなっていた頭が次第に動き出し始めたのは、レモンティーのせいか、マーモンのせいか。
『デートは世界一周かな。』
「君って金食い虫だったんだね。」
二人で顔を合わせて、フフッと笑う。気づいたら、私の背中は伸びていた。
愛はプライスレス?
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マーモン可愛いけど大人っぽくて大好きです^o^へへ
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