あぁもうベルったらどうしてこう時間にルーズなのかしら!私がどれだけ待ってると思ってるの?大体このデートを提案したのもベルじゃない。なんで先に来て待ってないのよ!自分達はマフィアだからって、こんな人気の無い公園に呼び出しといて…!
私の予想だったら、この人目の無い公園の噴水でベルが待ってて、私が時間に二、三分遅れて来る(ちなみにそれはもう実行された)。それで、
『ごめんね!待たせちゃった!』
「いーよっ。なまえの為なら何時間でも待てるし。」
『もう…ベルったら…!』
って感じになって二人で笑いあって、楽しい楽しいデートになる予定だったのに〜!何よ何よ!私の妄想癖ばっか激しくなるじゃない!
あー早く来ないかしら…。ベルの為にスカート履いて、ベルの為に髪型変えて…。一生懸命やってるつもりだったんだけどなぁ…。気付いてもらえてないし、第一遅れて来るなんて私のこと大事に思ってない証拠ね!早くこーいベルー!
………あぁホラ。なんか後ろの茂みから視線を感じるじゃない。ベルが時間通りに来ないからよ。バックの中に短刀仕込んどいて正解だったわ。
『出てきなさいよ!私今不機嫌なの!イライラさせないで!』
私が叫べばガサッと五、六人の男が茂みから出てきた。きっちりスーツ着込んじゃって…。女の私なら五、六人で十分みたいな顔しやがって…。あぁもうイライラする!これも全部ベルのせいだわ!
『ベルのばかぁぁぁーーー!!』
敵がニヤつきながら歩いて来ているのに対し、私は(相手にとって)意味不明なことを叫びながら走り出した。
「わりーなまえ!ボスに捕まっちまって、て……。」
私が最後の一人を倒したところで、ベルが息を切らしながらやって来た。この光景を見て言葉を失ったベルに、私はただ睨みつけて不機嫌オーラをぶつけまくった。
「…なまえ……。」
『…なによ。』
「すっげーそそる。」
――ヒュンッ
第一声がそれか!!もっとごめんなさいとか言えないわけ!?思わず短刀投げちゃったじゃない!ていうか…
『どこら辺がそそられるわけ…。』
「スカート破けてて、太股に血が飛んでるとこ。」
最後にししっと笑う。なんてマニアックなの…!私の彼氏は変態でした。まる。
「なー、それより今からデート『出来るわけないでしょアホンダラァァァ!!』
何事も無かったかのようにひょうひょうと言うベルに、今日一番の大声で叫んだ。ほっぺ膨らませても許さないから!別に可愛くないんだから!
「なまえ。」
『今度は何?』
「今日の髪型すげー可愛い。」
『……。』
ダ、ダメよなまえ。騙されちゃダメ。スカートも破けてなかったらなーと付け足されて、思わず胸が熱くなりかける。ベルに抱き着きたい気持ちになる。私がどれだけ待ったと思ってるの?どれだけ寂しかったと……。
「ま、どんななまえでもかわいーんだけど。だって王子の姫だしな。」
『あぁもう無理!ベルのばか!大好き!』
喜怒哀楽お姫様
ごまかされてるのはわかってる。だからご機嫌取りが上手くてかっこいいベルにごまかされといてあげるわ!
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グダグダってこう言うことを言うのか…
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