※ボスの娘
※年齢はイメージです







『ねぇカス鮫?』


「お前ほんとザンザスに似てきたなぁ…。」


『私外が見たい。』


「シカトかよ。」


私がここ、ヴァリアーのボスの元に生まれてから早十数年。私は一度も外へ出たことが無い。そりゃあ移動で車やジェット機に乗ったりしたことはあるけれども。

私は自分の力で、外の空気を吸ったことも、この国の土を踏んだことも、青々とした木々に触れたことも無いのだ。
ボスの娘だから狙われているとかで、お蔭様ですっかり我が儘な箱入り娘に育ってしまったのだ。まぁ"我が儘"は幹部のみんなだけだけどね。


「あ゙ー…。それは俺にはどうすることも出来ねぇよ。」


『うん、知ってる。』


私が言えば抗議するスクアーロの声。知っていた。知っていたけれど、いつかは叶うかもしれないから、聞いてみる。でも帰ってくる言葉はいつも通りで、私の小さな可能性は消えた。母から教えてもらったおまじない。夜空への願掛け。毎晩やっているそれも、叶う気がしなくなっている。

小さい頃は、可愛い可愛いと育ててくれたルッスーリアやレヴィですら、この言葉には顔をしかめる。
わかっている。戦闘センスも無くただこの屋敷で何不自由無く育てられた私だから、狙われていても自分で自分の身を守ることが出来ない。外に出たくても、誰か傍に居てもらわなくてはならない。
そしてもし、私に怪我の一つでも出来れば、ボスに消される……みんなはこれが怖いのだ。だから、誰に聞いたって、「無理」の一言で返されてしまう。


「ゔお゙ぉい……なまえ…。」


『…我が儘言ってごめんね、スクアーロ。さ、食堂行こっか!』


出来るだけ笑顔を作って、スクアーロの横を通り過ぎる。だが、私の体は後ろに引っ張られてしまった。
首だけ向ければ、そこにはバツの悪そうな顔をしたスクアーロの姿。


『……なに?』


「…お、お前がよけりゃあ…連れてってやるぜぇ…?」


握られている腕がチリッと痛んだ。どれだけ力込めてるんだこの人は。真っ直ぐ私の目を見て、反らさずに言いきった後、しばらくの沈黙が続いた。
私の頭が理解し終えた時には、スクアーロの顔も少しだけ赤く染まっていた。て、照れてる、の…?


『ス、スクアー…』


「ゔお゙おぉい!!行くんならさっさと仕度しやがれぇ!!」


いつもより少し大きい気がした声に急かされて、私は自室へと走った。扉を閉めると、力無くそこへ座り込む。
心臓がいつもより速いのは…いきなり走ったりしたから…?外の世界への期待から…?それとも…。










君は私の流れ星







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…しっくり収まらない。
なーんかグダグダっ(;□;)


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