※10分クオリティ
「…手ッ…繋いで、も…いいかぁっ……!?」
とある任務の帰り。移動用の車の中で、隣に座るスクアーロが突然言い出した。夕陽が当たっているが、それとは比べものにならないくらい真っ赤になっている。
『なに…いきなり…。どっか怪我した?』
「そんなわけあるかあ゙ぁ!!」
心配したら怒鳴られてしまった。やれやれ、手のかかる大人だ。そんなに怒鳴らなくたって、スクアーロが素直じゃないのはわかっていたし、ちょっとからかってみただけなのに。
『ん。』
「お゙、おう…。」
にっこり笑って(営業)手を差し出せば、言い出しっぺのくせに恐々と手を繋いで来るスクアーロ。大きなその手はすぐに私の手を隠してしまったけれど、全体的に温もりが伝わってくるので、私は大好きなのである。そして握られた手はそのまま座席に置かれる。
『にしてもどうしたの?いきなり…。』
「なんとなくだぁ。……悪りぃかよ。」
『ううん。嬉しいよ、ありがとう。』
今度は心の底から笑ってみた。握っている手がピクリと動いたが気にしない。嬉しいと思ったのは本当だから。
「アジトに着くまでだけどなぁ。」
『それでもいいよ。あ、今夜スクアーロの部屋行ってもいい?』
「あぁ。毎日来てもいいぜぇ。」
『そ、それはちょっと…。』
夕陽でオレンジに染まる車内。今回の任務の事なんか忘れるくらい私達は笑い合った。
「(……つーか王子もいるんだけど。)」
貴方がいれば場所なんて!
『あ、そんなにスピード出さなくても大丈夫だよ。』
「寄り道してもいいぜぇ。」
「…えぇ!?…は、はぁ。わかりました…。」
「いや飛ばせ。王子を巻き込むなバカップル。」
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ベルまじごめん。
これぞ10分クオリティ。
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