さぁ、頑張るのよなまえ。今までもやってきたじゃない。乗り越えてきたじゃない。ここで帰るわけにはいかないのよ。三枚に下ろされたいの?サボテンになりたいの?カエルやオカマの餌食になるしかないの?いいえ、まだこれからなんだから。私の人生、まだまだこれからなんだから。
『ボスーー!!起きてくださいぃー!!』
「るせぇ。」
『ぎゃぁぁっ!』
あぁやっぱり。今日も失敗しました。ごめんなさい作戦隊長。ごめんなさい幹部の皆々様。
それにしても仮にも女である私の顔をグーで殴るこのボスは一体どういう神経してるんでしょうかね?
『ボス…お願いしますよ…。朝弱いの知ってます。でも起きてください。私の分の朝ごはんも無くなりますから。』
あの幹部の皆々様は容赦しないのだ。来ないならば食うまで。だって勿体ないだろ?がモットーな奴らなのだから。
私がボスをこうして起こしに来るのは、もう一年くらい前からの習慣である。その度に私はボスの部屋の前で一人葛藤しつつ気合いを入れ、きっと殴られるであろう私の頬に謝りながらこの戦場に踏み込むのだ。やだ、私なんかかっこいい!
「ドカスが…うるせぇぞ…。」
『あっボス!朝です、朝なんです!起きてください!ちなみにベッドから出て立ち上がるまで起きたとは言いませんからね!』
「朝から…うるせぇ奴だな…。」
まだ寝起き特有の少し掠れた声だが、ボスと会話が出来ている。よし、いつもより調子がいいぞ!昨日は早く寝たのかな?
『ボス!今日の朝食はボスの大好きなものなんですよ!なんだと思いますか?あっお肉じゃないですからね。朝からそんな重たいもの』
「…るせぇっつってんだよ。」
『わ、っぷ。』
……あれー?なんだか世界が反転したぞ。ボス?ボスはどこ行ったの?なんで私、天井なんて見つめて…。
「もっと色気ある声出せねぇのか。」
すぐ近くでボスの声がした。漫画でよくあるドキンッて感じではなくこれはもうドッキューンだ。なんだこれ、なにこのシチュエーション。
『…ボス…?』
緊張のあまり固くなった動きで目線ごと首を横に動かすと、超ド級至近距離でボスの綺麗な紅蓮の瞳と目があった。なななななにコレェ!!!
再び漫画で例えるとアレだ。顔から湯気がボンッ!てやつ。まさにアレ。つまりアレ。アレアレアレ。
「キョドってんじゃねぇよ、カスが。」
『だだだってボス!これは慌てないほうがおかしいと言うか…手!ボスの手が私の腰に…!』
「るせぇっ!」
『あ゙いたっ』
こ、今度は頭突きですか…。ボスの言う"色気のない悲鳴"がまた出たらしく、ぶはっと笑われた。
笑ってるところ申し訳ありませんが、こんなハプニング初めてだよ…どうしたらいいの…?
ボスはそれから少しだけモゾモゾと動いたかと思ったら、見事なまでに再びお眠りになりました。えぇそれはもう気持ち良さそうに。
これがイケメンな彼氏だったら(ボスも十分イケメンだけど!)私もこのままくっつきながら寝るのだが、世界でたった一人しかいない猛獣に捕獲されたと思うと、声を殺しながらただ涙を流し、助けを待つしか無いのであった。
緊急事態発生!
応援を求む!
-------------
ボスをかっこよく書きたかった。
よくわかんなくなったぁぁ…。私も今眠いです´`←
← →