※なまえちゃん少しレヴィ気味






「ひぃいっ!た、助けてくれ!」


『いや、ボスの命令だもの。』


武器を落とし何の抵抗も出来なくなったターゲットに銃口を向ける。面白いくらいさっきと態度が違うそいつは、私に"殺さないでくれ"なんてお願いしてくる。馬鹿じゃないの?"私"は貴方を殺しに来ているというのに。


『ばいばーい。』


銃の渇いた音が響く。この音でここのファミリーは侵入者に気がつくのだろう。だけど遅いわ。貴方達のボスはもういないのだから。

さーてどうやって逃げようかなーなんて考えていたら、バンッ!とこの部屋の大きな扉が開いた。はやっ。え、ちょっと待ってよ。そんなに集まって来たら、道が塞がれちゃうじゃない。塞がれちゃったら、みんな殺すしか無いじゃない!




これは不可抗力ってやつだ。そうでしょうボス?ボスに憧れて入ったこの組織。ボスに憧れて習った銃。常にボスが頭から離れなくて、そう、だからこれは不可抗力なの。仕方がないの。確かに今回の目的はファミリーのボスの暗殺だけど。

ドキドキしながら報告書を出しにボスの部屋へ向かう。あぁやだなこの感じ。返り血は全部洗ったし私もシャワー浴びたし大丈夫だよね、臭くないよね。……ばれないよね?

分厚い扉を二回ノックして自分の名前を名乗れば、入れという低い声が聞こえてきた。あぁボスの声だ。任務の後に聞くボスの声はやっぱり癒されるなぁ。って談話室で呟いたらスクアーロにドン引きされたけど。分かってないわね。だからカス鮫なのよ!


『失礼します。報告書を持って来ました。』


「……。」


ボスは無言で私の報告書を受け取る。あの綺麗な綺麗な瞳が私の書いた文を読んでいるかと思っただけで嬉しい。思わずにやけそうになる。


「おいカス、これだけか?」


ところがどうだろう。ボスはなんだか不機嫌ではないか!私の嬉しさなんて一気に何処かへ消えてしまった。なんで、なんで!?ただパニックになりつつある私に、ボスは低い声で続けるのだ。


「今回の目的は確かにこのファミリーのカスを消すことだ。だが、お前はそれ以外にも殺さなかったか?」


ば れ て い た 。さすがはボス。我らがボス。愛すべきボス。私はただ頭を下げて、すみませんでしたと言うしかなかった。
勝手にターゲット以外を殺してしまったこと、報告書に書かなかったこと、なによりボスに嘘をついたこと。

思わず涙が溢れてきて、ボスの顔が見れない。とりあえず突き返された報告書を受け取り、失礼しましたと帰ろうとした。その時だった。


「別にターゲット以外を殺すなとは言ってねぇ。カスの割にはてめぇは十分やってる。」


『……ボス…?』


「これからも期待してんだ。こんなつまんねぇ紙で落ち込んでんじゃねぇよ。」


なぁなまえ?そう言ってニヤリと笑ったボスは今までで一番輝いて見えた。あ、あのボスが私に期待しているなんて…!顔が熱い!涙なんてどっか行っちゃったわ。初めてボスに褒められた。初めて名前で呼ばれた。なんかもう全てが幸せ!


『待っててくださいボス!お昼前には提出できますから!』


そう叫んだ私はボスの部屋を出て自室へと猛ダッシュした。途中「廊下を走るなぁ!」とスクアーロにゲンコツされたけど気にしない!





お仕事日和




(単純な奴め……)







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ボスイケメン^q^ハァハァ



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