ベルの部屋に来て、クッションを床に落とす。その上に私も俯せにダイブして、少しだけ呼吸を止める。
そこでハッと気づいた。私、ベルに何の用事があって部屋まで来たんだっけ?


「勝手に来て床に寝んなよ。邪魔なんだけど。」


『…用件があったんだけどなー……なんだっけ?』


はぁ?と半分隠された顔でも読み取れる。呆れた表情だ。ポカンと口を開けたまま固まっている。


「何それ?ボスの呼出しとかそんなんだったらぶっ殺すぜ。」


『んー……そんな内容じゃなかった気がする…。』


たぶん、と私が続ければ、あっそ、と返されて、ベルも私の横に倒れ込んだ。二人揃って床に寝てるなんて、なんだかおかしな絵面だ。


「なまえが忘れるくらいっつーことは、そんな大した用事でもないんだろ?」


『失礼な。それなりに重要な話!……かもしれないよ?』


「それを忘れてるんだったら、お前本物の馬鹿。」


『あだっ。』


ぐるっと体を反転させて抗議すれば、飛んできたデコピン。まったく、ベルはすぐに手が出るんだから…。


「王子はお前に大事な用がある。」


『え、うそ、なに?』


私が少し体を前へ近づければ、「近いんだよ暑苦しい!」とオデコを叩かれた。私のオデコはそんなに攻撃しやすいのか…。


『…で?何、大事な用って。』


私はこれから大事な話でもされるのかと思って、寝かせたばかりの体を起こす。正座でもしながら聞いてやりますよーと呟きながら振り向けば、いつの間に起きたのか、顔をベルの両手で固定された。ちょ、口がタコになるんですけどっ。


「俺、なまえのことが好き。」


そう告げられて、頭が理解する前にベルのくちびるがそれに重なった。まさかのタコ口かよって頭の中で突っ込んでる辺り、私の頭で状況は理解されたらしい。

ベルの顔と手が離れる瞬間、私はあっ!と思い出した。


『そうだ。私もベルが好き。』


「しししっ、なんだよソレ。」


離れたベルの両手を、今度は私から掴んで、引き寄せた。先に言われてしまったのがなんだか悔しくて、私はベルを思いっきり抱きしめた。










あいにく、忘れっぽいもんで





「なー、いい加減離せよー。」


『…もうすこしぃぃ。』
(顔の熱が逃げないの!)




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ベルさん楽しいよー(^O^)

もっとほのぼのしたい!



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