これを恋だと認めることが出来たら、どれほど楽なのだろうとルッスーリアは困ったように笑った。そして今だに自分の中にオトコの心が残っていたのだと自覚して、また笑う。
しかもだ。その相手というのが、一回りも年の離れた子供だということ。子供とは言え、その性格はとても冷静で頭の回転が速い。背が低ことと童顔を除けば、彼女は大人と間違われても文句はないだろう。そこもルッスーリアを魅了させた一つでもあるのだが。

さて、今日はそんな彼女と任務なわけで。


「やだわぁ。こんなカビ臭いとこ、来たくなかったのに。」


『それはダメだよ、ルッス。ボスの命令なんだもの。』


こちらを見ずに、淡々と喋る。彼女はレヴィやスクアーロに負けないほどボスを慕っている。ベルにはレヴィ二号だとか呼ばれていたような。

彼女は腰に挿していた刀をスラリと抜いた。敵が近いという合図だ。ルッスーリアは静かに溜息をつくと、バサリと上着を脱ぎ捨てた。


「じゃあ最上階で会いましょう。遅かった方が罰ゲームね。」


『いいよ。何をしてもらおうか、考えておくね。』


「まぁっ、生意気な小娘だこと。」


『なんとでも。じゃあ行くよ。よーい……スタートッ!!』


彼女の声を合図に、二人はお互いに反対方向へ地面を蹴って走り出す。敵の侵入に気が付いたマフィア達は慌てて抗戦するも、時すでに遅し。辺りはだんだん血の海が出来ていった。

最上階への階段を急いで駆け上がるのは彼女の方だ。彼女の握る刀は血で濡れ、綺麗な銀色はわずかに光って存在を主張している。
あと少し、あと少し。そう思いながら最上階の扉を蹴破ろうとして、彼女は気がついた。扉は、すでに壊されている。


「遅かったじゃな〜い?」


『少し、調子が出なかっただけだよ。』


息を切らしながら話す彼女とは違い、部屋の中央にあるデスクに足を組みながら座るルッスーリア。そしてその足元にはここのボスであろう、サングラスの男が横たわっていた。


『(負けた…。)』


彼女は床に倒れている男を見つめながら、自分が悔しさでいっぱいになっていくのがわかった。プライドが高い彼女は、負けたことが悔しかった。特に、ルッスーリアに負けたというのが――


「じゃ、罰ゲームね。」


『…うん。こうなったらなんでも来いだ。』


「なまえ、あんたアタシの彼女になりなさい。」


なんでも来い、とは言ったものの、これは予想外だった。かの、じょ?ルッスーリアはいつもの自信に満ちた顔でなまえに人差し指を向けながら、そう言ったのだ。
彼女になれだなんて、そんな、そんなの。私だって言おうとしてたことがあったのに……!!


『ルッスーリア、あんたを私の彼女にしてあげる。』


「…ほんと、生意気な小娘ね。」


なまえは言いながら、ルッスーリアに逆手で人差し指を向けた。それを聞いたルッスーリアは笑った。それはそれは困ったように。認めてしまったら、それはもう恋なのだ。お互いに、譲れない恋心を持ち合わせていたのなら、それはまた別の話になってしまうが。








恋する心の確認法




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うへ、ルッス大好き←



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