7月も終わりに近づき始めようとしてる頃、明日から夏休みが始まろうとしていた。夏休みの心得や課題、夏期講習について等、先生の口から説明される。何だかんだで、別れてから1ヶ月以上が過ぎ、時間の流れは早いものだと実感した。
実は今日、学校が終わった後に獄寺先生と六道先生が2人揃ってわたしにお話があるみたいで、わたしは生物準備室に行かなければならない。あの2人の考えてること、想像つかないからなあ。

―――…学校が終わり、みんなが家に帰る中、わたしは生物準備室へと足を急がせる。ガラッと勢い良くドアを開けると、まだ誰も居なかった。呼び出しておいたくせに、居ないなんて…。まあ、いいかと思い椅子に座る。そういえば今週末から夏祭り、だったっけ?お祭り…かあ。行きたかったなあ…。

「…っはあ、待たせましたか?」
「悪ィ。遅れた」
ガラッとドアを開けて、入って来たのは獄寺先生と六道先生だ。生物準備室の鍵を閉めて、わたしと向かい合わせになる形で2人は座る。

「名字の捉え方によるが、一応知らせておくな」
「なんですか?」
「雲雀とあの幼なじみ、別れそうらしいぞ」
「なんでも、幼なじみがいつも上の空な雲雀くんに痺れを切らしたみたいで…キレたみたいです」
「……」
「名字、チャンスかも知れねーぞ」
「まあ、無理にとは言いませんが。君には雲雀くんが一番お似合いです」
「……なんでそんな、応援みたいなことしてくれるんですか?」

わたしがそう問い掛けると、獄寺先生は頭をポリポリと掻きながら「名字が大切だから」と一言。六道先生は満面の笑みで「2人には幸せになって頂きたいのです」と一言。

「…っ、わたし……頑張って…みよう、かな」

泣きながらそう言うと、2人はわたしの頭を撫でながら励ましてくれた。


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